私の住んでいる街には、2件の百貨店がある。
1年の内、ときどき、うまいもの市を行う。
例えば、北海道物産展は1年に1回か2回くらい開催される。
横浜うまいもの市というものもある。
こういう市が出た時は、一応、視察に行き、有名店のイートインで食べるようにしている。
完成品は、本店に劣る可能性は否めないが、有名店に行く手間と費用を考えると、催事で少し上乗せした金額でも一度、食べておこうと思っている。
ただ、何回か食事をして気がついたことがある。
市内の2つの百貨店で呼んでいるラーメン屋を食べ比べてみて、両者に、気のせいではない違いがあるように感じた。
売り場面積も大きく、催しが大きいA百貨店では、有名店も呼んでくるが、食べた感想では、今ひとつのことが多い。
どちらかというと、まずいと感じることがしばしばある。
一方、B百貨店の方では、小ぶりながら、イートインで食べるラーメンは、まずまずで、結構、おいしいと感じるものも多かった。
先日、また新たに確認したので、一つの仮説を立ててみた。
A百貨店は、有名という名のある店と交渉してよびかけている。
B百貨店もある程度は有名にこだわるが、それよりも営業マンが現地に赴いて、料理を食してから誘致しているのではないか。
そう考えなければ、B百貨店でのそれほど有名ではないけれど、おいしいラーメンに出会うことはそうそうないはずだ。
B百貨店では、老いて正社員ではないが、プロの営業マンが季節労働者として働いている。
手袋に関わらせたら、手をみただけで、即座にサイズが分かる人。
帽子についての知識が並外れている人。
スーツの仕立ての仕上がりがイメージでき、提案できる人。
今の世の中、宣伝の効果が大きく、こうしたプロの価値が薄らいでいるのが残念である。