来年、 マイナンバーカードが、 保険証がわりになる予定です。
また、それに先行して、オンライン診療の義務化が2023年の4月から始まりました。
これも電子化が要件になります。
今回は、その実情をゼミ形式で語っていきます。
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登場人物紹介
講師
一文字浩介
地方の準難関大学卒であるが、なぜか帝国大学の講師をしている
心理学者の若手
興味は豊富で、多彩な知識を持つが、まだ何も大成していない
学術とは変わった認識を持つ
言葉使いは、ていねいだが、少し変わり者
生徒1
橘涼香
元、理系女子
宇宙など、壮大なものにあこがれる
宇宙物理学科を目指し、大学受験では合格できるレベルにあったものの、研究に残ることができる者は、ごく一部の天才だけと知り、人文科学を専攻する
気丈な性格といえる
生徒2
円山由貴子
文系女子
ふくよかで、穏やかな才女
彼女の優秀さは、時にかいまみられる
感性豊かな性格
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一文字:
最近、友人の医師が、システムを、 電子カルテに変えました。
入力が、 デジタル化になるなら、 出力も、デジタル化なります。
マイナンバーカード保険証は、来年の秋になる予定ですから、 一年半の猶予があるはずです。
しかし、ギリギリの 期限になると、書類申請と 機械の設置手続きが間に合わわなくなると思われるため、この度、思い切ってシステムを変更致したというわけです。
丸山:つまり紙カルテから電子カルテに変更したのですね。
一文字:ええ。
友人は、以前勤務していた病院での電子カルテ運用に疲れていました。
その使い勝手が非常に悪かったため、開業してからは、紙カルテにこだわっていたのでした。
橘:よく思い切って変える踏ん切りが出来ましたね。
一文字:そうです。デジタル化の流れの共に、電子カルテの改善も進んだため、割り切ったそうです。
丸山:すんなり、切り替えができたのですか?
一文字:いえ、導入への道のりは簡単ではありませんでした。
一度、申し込んでおいた業者から、 別の業者に変更しました。
橘:えっ?それは妙ですね。何かしらのトラブルがあったのですか?
一文字:ええ。ものすごく使いにくいシステムだったのです。
円山:そんな使いにくいシステムをなぜ、導入しようとしたのでしょうか?
一文字:「今日、決めてくれたら、60万円引き!」という誘惑に負けたそうです。
システムは稼働せずとも、1年間分の使用金額はしっかり請求されました。
そのための損失は、 150万円を超えました。
橘:ええー?!
一文字:それでも、 使いにくいカルテを使うより、 別のもっと使いやすい業者に変えました。
ムダなお金は発生しましたが、それで良かったと言っています。
丸山:そんなに酷いシステムなのですか?
一文字:酷いかどうかは知りませんが、注意点が多い上、会計のバグが当たり前のように見られました。
ノートパソコンでは、取り扱えないと思ったそうです。
その時、折しも、使いやすそうな他社の電子カルテを見つけたのです。
橘:そこのシステムは、どうなのですか?
一文字:説明を受けた職員も、これなら使えそうだということで、乗り換えを決定しました。
ありがたいことに、やはり150万円ほどする初期設定は、自分で行うと無料となりました。
おまけに使用していない月額料金を請求されることもありません。
橘:へえー!大きな違いですね。
一文字:営業で伸びている会社と実力で拡大している会社の違いです。
円山:それで、先生の友人は、新しい会社のシステムに満足しているのですか?
一文字:理想のような完璧な世界はなかったけれど、150万円を捨てて変更してよかったと言っています。
使い勝手が全く、異なるようです。
システム変更に伴い、新たにパソコンも大量に大量に購入しました。
その費用だけでも200万円は軽く超えています。
橘:システム料金も大きいけれど、ハードの代金も相当かかるのですね。
一文字:大きなシステム改革では、普通におこることです。
病院でも建物の建て替えに莫大な資金を必要とするでしょう?
平時でも戦時でも資金繰りとの戦いです。
丸山:旧ソビエト連邦もハイパーインフレによる資金難で崩壊しました。
橘:お金を軽く見ないことが大切ですね。
日々の生活だけでなく、政治にも大きく影響することがわかりました。
一文字:そうですよ。江戸時代で言えば、兵士を1人雇うために100石の米を必要としました。
北陸の大藩で、加賀百万石と言われました。
ということは、加賀藩は、1万人の兵力を出す財力を持っていることになります。
戦争には金がかかるのです。
橘:なんで、戦争の話になるのですか!
円山:資金繰りの話ですよね。
2年半に1回くらい戦争をしているアメリカは、莫大な借金を背負っています。
一文字:それが全てではありませんが、ある程度は関与しています。
橘:思いっきり脱線しましたが、世の中は、金と軍事と外交の微妙なパワーバランスで成り立っているということですね。
一文字:そのとおりです!
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さて、電子カルテ導入後の現実を見てみましょう。
一文字:
患者さんからは、 よく、 パソコンが変わったのですねと言われます。
最新のiMacと説明しているそうです。
画面は薄いけれど、大きな24インチモニター!
出典:Appleのホームページより
今のiMacは、本体の色を選ぶことができて、かわいいと言われます。
キーボードの色も本体と同一色になります。
キーボードが、薄い!と言われました。
さらに、表からは見えないけれど、上面が白いマウスの裏も同色なのです。
円山:細やかなこだわりがうかがえますね。
一文字:そうです。
診察室のiMacは、オレンジ色ですが、受付のMacは、黄色です。
外部からは見えないけれど、裏手に置いているMacは、ピンク色です。
普通のパソコンより、おしゃれな代物に興味を抱くかたがそれなりにおられます。
橘:私もMacに惹かれるところがあります。
Windowsは、業務向きで、便利なのですが、「仕事させられている感」があります。
一文字:これは、好みだけでなく、コストの問題も絡んできます。
Macは、おしゃれで作りもよいかわりに、高い金額を請求されます。
しかし、面白いことに、学者や研究者の多くは、Macを所有しています。
NHKの番組でも注意ふかくみると、解説している方のPCがMacであることが多くみられます。
不思議なことに、同じYahoo!のニュースを見ても、MacからWindowsマシンでみると、つまらなく見えるのです。
七不思議の1つでしたが、最近になって、その大きな理由が分かりました。
Windowsマシンは、TVと同じフルハイビジョンの画像にしていることが多いのです。実用的には、それで十分です。
しかし、AppleのRetinaディスプレイは、それよりはるかにきめが細かくなっています。
最低でも4K画像。27インチですと、5Kで、16倍も繊細な画面を映し出します。
橘:クリエーターには、そのような配慮が譲れないのではないでしょうか。
一文字:そのとおり!
そういう側面は大きいと思います。
医療に詳しい方からは、「電子カルテに変わったのですね」と指摘されることもあります。
丸山:パソコンを替えたというよりも、システムを変更したために、パソコンがかわったという方が的を射ていますね。
一文字:
私自身も、ずっと、AppleのMacを愛用しています。
そのため、続けて macを更新して使っています。
Windowsだと、仕事やらされている感があるのです。
橘:仕事にも情が入るのですね。
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考察:人は、使いやすいシステムをもとめる
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