2018年8月28日
不動産価格と治安の問題

日本では、中古不動産の市場が確立されていません。

普通に「不動産屋で扱っているのに、なぜ?」
と思われるかもしれません。

ところが、欧米と比較すると、日本の不動産の流通は透明性が乏しいのです。
そのため、同じ不動産でも、業者によって、値付けにかなり違いが出ます。

もちろん、不動産ではない、車の中古車市場でも違いは出ます。
ただ、大手では、同一車、年式、走行距離、仕様などによって、同一社内での査定基準を同じようにしようとする試みがみられます。

T社のusedカーには、そういう基準がみられました。
G社でもあるようです。

アメリカでは、カローラなどの実用車は、走行距離などによって、細かい取り決めがあります。
悪路を走る同国では、小さな傷は、さほどカウントされないようです。

話を戻して、不動産市場になります。
耐用年数が長い欧米では、中古物件を修理したり、改修したりすることによって、価値を高めることができます。

それに対して、日本では、いくら仕様をよくしても、中古でガタ落ち、おまけに年数によって、急速に価値が低下します。
木造家屋では、築20年以上になると、上物(建物)の価値は、0に近くなってきます。

・新品が好きな日本人の気質
・地震による倒壊の恐れによる耐用年数

また、江戸時代には、火事で広範囲の建物が燃えてしまうため、家に金をかけてもムダだという風潮もあったかもしれません。
狭い地域に木造住宅が密集する地域では、家は、そこそこ耐用年数の長い、使い捨ての消費財という感覚があったかもしれません。

今、東京の不動産は高止まりしています。
当面、これ以上に値が上がることは少ないだろうと、私は考えています。

さらに、地方においては、土地価格の下落が止まりません。
空き家問題がしだいに表面化しています。

刑務所から脱走した囚人が隠れていた場所が空き家でした。
今後、その空き家をどうしていくかという問題も大きく浮かび上がってきます。

日本においても、昔以上に、利便性だけではなく、治安のよい地区と治安の悪い地区との土地価格の差が広がっていくと考えられます。

空き家が多い地区は、売買ならびに賃貸価格が下がりますから、住宅費をあまり出せない人たちが住むことになります。

日本人だけでなく、海外からきて収入の少ない人も多く入流してくることでしょう。
さらに、さびれた地域では、犯罪組織のアジトになるかもしれません。

土地の価格と治安がひれいしていくことになるでしょうから、危険地帯というエリアも増えていくと思われます。

今後、そういう査定を整え、処分するなり、再整備するなり、対策を立てないと、いずれ日本は、安全な国とは言われなくなることでしょう。