2012年10月27日
受容することと約束すること

「約束を守らないやつは許すなと教えています」
というお父さんがおられました。

たまたま、話題がそれたため、話が深まりませんでしたが、
その教えに危険性を感じました。

▼約束を守らない者は、警戒しよう。

▼次に約束を守るかどうか様子を見よう。

▼約束を守ってもらうよう説得しよう。

いろいろあると思いますが、
「許さない」というのは危ない。

事実、そのお父さんの子どもは、
友達が、ある約束を守らなかったために、
守らなかった子に何回もキックをしました。

そのキックは、毎日のように続き、許すことがありませんでした。

そうして、エスカレートしていき、

ついに刃物を使って、脅すことになったのです。

子どもをぐれさせない、非行化させないために、
叱る、という父性はとても大切ですが、
許すという母性を欠いてしまったなら、
歯止めがきかなくなるのです。

その教えをつきつめていくと、

「約束を守らなかったやつは、殺してしまえ」

という究極の場所に行き着くしかありません。

そんなセリフ、ありそうですね。
ヤ○ザか、マフィアの間では。

約束を守らなかった時に制裁を加える暴力。
しかし、暴力自体が、社会的な約束に反しています。

約束をすることは簡単な作業ではありません。

守れなかった時のペナルティを決めておくのも大切。

さらに、忘れてはいけないのが、
どこで許すのか、という姿勢。

人は、基本的に尊重したい。

お互いを侵害しない範囲で許容したい。

受容できないことがやってきた時のために約束がある。

そして、また受容する。

受容することと約束することはセットになっていると考えるのです。