2017年11月19日
カウンセリングは、話を聞くのが基本だが、時には話を進めた方が役に立つ

「逃げるのは、恥だが役に立つ」より、長い題名になってしまった。

カウンセリングには、効用がある場合と、反対に役に立ちにくい場合がある。

カウンセリングを希望される方で多いのは、

・話を聞いてほしい
・薬を飲むのは、怖いけど、話をして治ったらうれしい
・カウンセリングを受けると、自分が尊重されている感じがする
・何となくいい気がする
・治療に副作用がなくていいと思う

世間で考えているカウンセリングは、思っている通りの場合もあるし、そうでない場合もある。
カウンセリングに副作用がないというのは、実はウソだ。
場合によって、精神的侵襲となりうる。
特に、突っ込んだ話になると、そうなってしまう場合がある。
逆に話が表層しか流れないと、治療がまったく進展しないということもあり得る。

昔、病院勤務していた時、思春期のカウンセリングを担当していたことがあった。
そういうカウンセリングを行い、話を聞くと、自分の気持ちもつまることが多い。
一つは、話を聞いてつらい気持ちになること。
もう一つは、こういう話をくり返しても、よくならない時の焦りだ。

最近は、当時よりは、話をして巻き込まれることが少なくなった。
故人となった、河合隼雄氏が言われていた、「クライアントの話」に関心を持つのではなく、「クライアントがどう考えているのか」に関心を持つという意味が、以前より実感できるようになったためだ。

現在、私は時間的な制約で、長い時間を要するカウンセリングを行うことができない。
それでも、時にそれだけの時間をとったカウンセリングを行うことがあるし、また別の視点からみたカウンセリングをすることもある。

その結果、思うのは、
薬だけの治療では解決しない問題があるよね。
カウンセリングだけでも解決しない問題があるよね。
どちらを併用しても解決しない問題があるよね。

悩みの源泉がとても深い場合には、話をするだけでは解決しない。
悩みの種が、具体的問題であれば、話をするより、その問題を解決した方が早い。

本日は、抽象的な話が多くなったが、また具体的な話をしてみたい。