健康診断にて、以前より中性脂肪が高かった。
血液検査の結果では、「中性脂肪」と書いてある用紙もあるかもしれないが、多くはTGと書いてある。
TGとは、トリグリセライドの略。
意味は、概ね中性脂肪の数値を表している。
私は、以前からこの数値が標準より高めだったので懸念していた。
痩せたらよくなるかと思い、ダイエットを続け、かなりの成果を上げた。
そのため、中性脂肪の数値も改善したと思いきや、以前より高い値となっていた。
驚いたのは、健診した日に病院の医師から直接連絡があり、数値が高いため、急性膵炎を起こす可能性があるため、治療が必要であると言われたことだ。
この数値はこれまで経験したことがなかったため、たいそう驚いた。
中性脂肪は、必ずしも太った人が高いわけでなく、やせていても高い場合があるから注意が必要だ。
私は、まず中性脂肪を下げる薬として、副作用の少ないロトリガを服用することにした。
魚に多く含まれるω3脂肪酸は、中性脂肪を下げるという報告があり、EPAを含んだ薬は、保険適応もある。
ロトリガは、EPAとDHAの両方を含んでいるので、よくなっても悪いことはなかろうと、1日2回まじめに服用した。
ここで、詳しい人は、あることに気づいたと思う。
EPAやDHAって、各社から売り出されている健康食品に含まれている成分と同じではないか?
サントリーでもそういった健康食品を大々的に宣伝して売り出している。
その勘は、正解である。
結構食品として多くあるものが、ある状態(高脂血症)になると、保険診療できるのだ。
しかも、治療の場合は、含有されているEPAなどの量が健康食品と比較して1桁多い量となっている。
つまり、健康食品程度の量では、金をかけても十分な効果を得ることが難しい可能性が高いのだ。
いいものを少しずつという考えもあるが、効果という面では定かではない。
しかし、金額は、比較的高価である。
話を戻そう。
私は、薬を飲みながら、自分の生活習慣を省みた。
普段の日常生活から、中性脂肪を上げる要因となる行為を行っている。
その行為は、「飲酒」だ。
お酒はうまくつきあえばいい友となるが、付き合い方が悪いと、万病の元となる。
飲酒を行うと、中性脂肪の値が上昇するという知識は持っていた。
知っているにもかかわらず、制御できないところが人間の悲しさだ。
そのため、今回は、知り合いの先生に薬を処方してもらい、同時に監視役となってもらうことにした。
話をしてみると、その先生も、昔、中性脂肪の値が高いことがあって、「入院したら?」と言われたことがあるらしい。
結局、そうもいかなくて入院はしなかったが、代わりに酒を減らすことにした。
そうすると、値が改善したという。
今回、私も最大摂取量を設定して、それを超えないことにした。
これまで、家に帰って、嫁が、「プシュッ」と缶の蓋を開ける音を聞くと、自分も負けじと手にしていた。
嫁にも協力してもらい、そうした行為をやめてもらい、節酒を行うことにした。
だいたい、それまでは、500ml缶が24本入った箱を2箱、つまり48本ずつ発泡酒を購入していた。
それが2週間足らずで消費されていた。
多い時は、1週間少々で雲散霧消していた。
摂取量が多いことは明らかである。
そのため、口さみしさを紛らわすため、お茶を購入して、日に何本もお茶を飲み、酒は1〜2本に抑えることにした。
今度は、お茶の消費量が著しく上がったが、酒の減り具合が目に見えるほど激減した。
さて、それからいくらかして、血液検査を行った。
脂肪を中心として、肝機能なども検査した。
その結果は、相談した先生からデータとして送られてきた。
これまでいくらやっても下がらなかった中性脂肪の値が正常値になっているではないか!
コレステロールも正常で、脂質代謝に悪影響は見られなかった。
諸悪の根源は、酒だったか?!
そう断定するにいたった。
現在もお茶を飲み、酒は少量たしなむ程度に抑えている。
世の中には、案外難しいことがたくさんある。
しかし、あるキーポイントを押さえると、簡単に解決するものもある。
こうした取り組みがこれまでできなかったことは、私の人間としての弱さゆえだろう。