今まで、他人の車と事故をしたことがなかった。
柱や壁にぶつけるという自損事故をしたことはあるが。
これまで運がよかったなと思っていた。
その日は違った。
いくらか前に、車検を行った後だった。
ブレーキパッドが摩耗しているということで交換した。
私は、車検後、初めて車を運転した。
(それまでは嫁の運転だった)
踏切で止まるとき、「おかしい」行き過ぎたなと不思議に思っていた。
ブレーキのききが甘いか、重くなっていた感じがする。
そして、その後、信号待ちで停車している車の後ろにつけようと思うと、予想より原則しなかった。
ブレーキを強く踏んで、ギリギリセーフだと思った。
少しして、前の車に乗っていた女性が運転席から降りてきた。
「コツン」という音が後ろからしたという。
「えー、そうなのかと思ってみてみると、後ろのバンパーに1〜2cmくらいの大きさの浅い穴ができている。
間に合ったと思ったが、接触していたのか。
警察を呼ぶか、連絡をして示談にするか迷ったが、相手方が保険に詳しい人がいるということで、警察を呼ぶことになった。
たいした事故ではなかったため、警察官は、事故車ではなく、バイクでやってきた。
そして、二人の名前、住所、その他を聞き取り、書き出していった。
警察は、書類だけで、「バンパー同士の接触ですね」と言った。
(写真もとらず、そんな簡単なの処理でいいのか?)
基本的に衝撃はほぼなかったと思われる。
相手の女性は、身体は何ともないから、きれいに修理だけしてくれればいいと言っている。
これだと物損事故ですむ。
前の車の同乗者にケガや傷害があれば、人身事故となる。
お互いに物損事故だと思っているが、もしかして、悪知恵をつける輩がいて、人身事故にして、お金をせびろうとする可能性もある。
ただ、その場合は、争うしかない。
物損の処理は、個人的にするとうまくいかないことが多いので、お互いに保険会社を通して交渉するようにと警察にも言われた。
連絡先が分からなかったが、家に帰って、嫁に情報を聞いて、ネットで検索したら、何とかつながった。
保険会社の人に連絡し、保険元の番号を教えてもらい、情報を提供して、交渉してもらうことにした。
後で相手の方の安否を尋ねると、保険会社から連絡があり、身体に異常はないという。
車を運転していると、こういう騒動がどこかで起こってもおかしくはないと思っていた。
さいわい、相手の方は良心的で過剰な要求をすることはなかった。
経過中、保険会社から、お金がおりることが確実になったことを伝えた。
これは、文中にてお知らせし、謝罪とともに少しの金券をお送りした。
それから、ほどなく、金額決定の通知があったため、分かり次第、即振り込みを行った。
その旨をまた、文書で連絡しようと思ったら、相手の方から携帯に電話がかかった。
振り込みを確認したことと、金券に対するお礼を述べられた。
物損事故として、円満に解決した。
修理代は、10万円に満たないもので、車の保険を使うと、等級が下がり、保険料の上がりの方が大きいため、自腹とした。
こんな軽微な事故でも、それなりの手間がかかった。
相手方がよかったこともさいわいした。
事故は、やはりないにこしたことはない。