お笑い芸人は、ふざけたことをいいながらも、頭の中では、いろいろなアイデアが逡巡している。
いいタイミングで、意表を突くことを言う人は、「頭がいいな」と思う。
あれは、自然になっているわけではなく、あることがらについて、様々なコメントをすることができ、その中で最も適していると思われるものをセレクトして、口に出している。
その一瞬にしてさせる技。
こういうのは、勉強、学力とは異なる筋肉を要する。
一方、こうした技を鍛えることができないかというと、そうでもないようだ。
例えば、ある商品についてのコピーを考える時、コピーライターに、
「100本コピーを書いて来てください」という課題を出す。
すると、一流のコピーライターほど本当に100本書いてくるらしい。
逆にいいコピーが浮かばないライターは、「考えて選んだんですよ」といいながら、十分な数のコピーを用意することができない。
思考の深さは、思考の広さと関係している。
また、思考の早さは、その広がりの速度を速める訓練によって、ある程度、鍛えることができるらしい。
それは、通常は書くことによって、思考を形にすることができる。
一方、一部の天才は、それを書くことなしに達成することができる。
自分が天才でなければ、ちゃんと書いた方がいい。
書かなければ、思考が逡巡するばかりで、一向に広がらないし、深まることがない。
天才を除くお笑い芸人は、漠然とでなく、言葉を使って思考を深めている。
だから、実力で活躍している芸人は、やり手のビジネスマンと同じようなオーラを出しているらしい。
結局、考えない芸人は、考えないビジネスマン同様、成功することが難しいということになる。
気の利いたコメントのできない自分。
頭が悪いのかとも思うが、それは仕方がないとして、練習で向上できる部分は、そうしたい。