2015年11月26日
インチキ治療の自称祈祷師が逮捕された

金の棒をあてて、「治療をする」、ごしんじょう療法。
故川島なお美さんが受けていた民間療法のことだ。

この療法は、痛み、アレルギー、がん、ALS、難病などに効果があるとうたっている。

「治療」および「病気に効く」と書いていても、お咎めがないらしい。
医学的な資格なくして、治療を行うと、医師法違反になるはずだが、法律の抜け道があるのか、未だ告発されていない。

一方、11月26日、自称祈祷師で会社役員近藤弘治(こんどう・ひろじ)容疑者が殺人容疑で逮捕に至った。
この自称祈祷師は、治療と称して、7歳の小児の体をさする、呪文を唱えるといった行為を繰り返したという。

この度の逮捕劇には、どんな違いがあったのだろうか?

まず、7歳の少年は、I型糖尿病という、インシュリンを注射しないと命を保つことができない難病にかかっていたことによる。
この病気は、10万人に1人くらい発症する希な病気であるが、元々体内からインシュリンが分泌されない病気として、成人になってから発生するII型糖尿病と区別される、医学会では大変有名な病気である。
このI型糖尿病に根治療法はなく、インシュリンの投与が生命維持に必須となる。

前述の自称祈祷師は、腹の中に「死に神がいる」、とのことで、インシュリンでは治らないといい、自らの治療(?)を開始して、治療費として、数百万円を受け取っていた。

今回、容疑として、最も重要視されたのは、
「インシュリン投与を(一時的にでも)やめさせたこと」
にありそうだ。

この病気でインシュリンを断つことは、そのまま生命に関わることであるから、祈祷や治療よりも、インシュリンの中断を行わせたことが犯罪にあたるものと思われる。

本来であれば、怪しい治療を行っている者を取り締まってほしいところだが、少なくとも、民間療法家も、その治療たるもので、病状が悪化した責任をとってほしい所存である。