飲食店は、新しいお店がよくできます。
それは形態にもよりますが、ラーメン屋を出すときに、経費を抑えることができたなら、創業は簡単な部類に入ります。
資格が必要のないことも大きな要素です。
一方、店舗を維持していけるほど実入りがあるかどうかは分からないところです。
1杯500円のラーメンを売るなら、何人のお客さんが必要なのでしょう?
また、1杯800円にしたら、お客さんが来てくれるでしょうか?
こういう事業は、始めるのは易し、守るのは難しで、継続していくことにこそ、本当の労力が必要となります。
ラーメン屋は10年経てば老舗だという言葉があるくらいですから、生き残っていくことは大変です。
事業全体から見ても、3年以内につぶれる会社は多く、5年以内ではもっと多い。
10年だと1割生き残ることができないようです。
そんな飲食店で、たまたま自分のとってお気に入りの店ができることがあります。
せっかくだから、そういうお店は長期に生存してほしいものです。
でも、現実には、そういうお店の多くはなくなります。
ぼくが不思議に思うのは、明らかに客が減って、やっていけそうにない店がダラダラと営業を続け、その逆に客付がよくなって、これからかという店が突然潰れることがあることです。
これは、資金繰りの問題が大きく関係しているかもしれません。
本当に客が来なくて赤字の店は、時期に差があれど、早晩撤退を余儀なくさせられるでしょう。
一方、個人のお店で、客が増えつつあり、人を雇ったのに、つぶれるお店には、それなりの事情があるのでしょう。
夫婦で経営していたのに、奥さんがいなくなり、パートさんを雇うようになったお店は、傍で見て、軌道に乗ったのかと思いきや、そうでないことがあります。
実は、赤字経営なので、奥さんが、外に働きに出て、その賃金より安いパートさんを雇って凌いでいる例があるようです。
ですから、人を雇えば余裕があるということではなさそうです。
ぼくは、そういう例を近い期間の内に2例みました。
本業では食っていけなくて、外に収入を求めた時点で、その事業はおしまいだと考えられます。
外から見える景色と中で見る景色にはずいぶん差があるものだと感じさせられます。