尾道に行列のできるラーメン屋があります。
そのラーメン屋は、隣町に支店を作りました。
人口規模は、その隣街の方が大きいことは確かです。
しかし、その支店は、今年の1月、閉店となってしまいました。
有名店にしては、流行らなかったことが関係しているかもしれません。
また、従業員が高齢でやっていけなくなったという噂もあります。
ただ、高齢だと分かっていたら、若い後継者を立てるはずですから、そこまでして得る利益が少なかったのだろうと勝手に推測しています。
実は、この支店には、一度しか訪れたことがありませんが、ガッカリした記憶があります。
一口食べただけで、本店の味と異なることが分かるのです。
そこには、不思議な雑味があったのです。
一般にお店のラーメンの持ち帰りをして、自宅で作っても同じ味を出すことは、ほぼ不可能です。
昔、母親に店で使っているスープや具材を持ち帰りしてもらって作ってもらったことがありますが、ずいぶんと味がかけ離れていることに驚きを隠せませんでした。
大人になって、自分で作ってみたら、その難しさに戸惑いました。
何回も試行錯誤を経て、持ち帰りラーメンをおいしく食べるコツをいくつか見つけました。
1 冷やして分離したスープをぬるま湯で戻す
2 スープを温める時は、沸騰する直前で止める
3 麺は、あらかじめ、ほぐしておく
4 麺を茹でる鍋は、なるべく大きくして、お湯の量を多くする
5 麺を入れたら、気を抜かず、沸騰した時、すぐに止める
6 麺きりという、お湯切りをしつこいくらいする
7 器に用意したスープが冷める前に麺や具材を入れ、すぐに食べる
しかし、まだ、その味には及びません。
大きな理由は、十分な量のスープがないため、スープを沸騰させると、香りと旨みが飛んでしまいます。また、そのため、スープを高温で待機させることができません。
支店で、味がおかしかったのは、6の麺きりを十分に行っていなかったのではないかと推測します。
支店で見た限りでは、スープも具材もすべて、本店から用意されているものとしか感じられなかったからです。
こういう例は、他の名店でも見られました。
同じ材料を使っても、作り手の修行が足りないと、まったく異なる味になるため、名前に認知度だけでなく、味も格落ちします。
この支店への目配りができなくて、閉店となるお店が多いように思います。
反対に、支店のクオリティを保っているお店は、どのように指導しているのだろうか、その実態を知りたい気持ちです。
私は、自分自身もコントロールできないし、自分の職場も十分、把握できているとは言えません。
さらに、目の届かない支店まで目配りするには、相当な管理能力が必要になるようです。