2015年11月15日
跡継ぎのいない有名ラーメン店

実家のある市で、特に有名な老舗が2店ある。
1番人気店は、戦後まもなくできて、2代目が継いでいる。
2番人気店は、若くして代替わりして、その2代目が高齢になっている。

2番人気店の店主は、70歳は超えていると思われる。
昨年から、「腰痛のため、閉店時間を4時にします」と張り紙されていた。
それまでは、18時から19時くらいまで営業していた。

確かに年を召されたかな、という感はしていた。
最近、人づてに聞いた話では、体調の異変は、これにとどまらないらしい。

右腕が弱ってきて、麺きりがやりにくくなってきているという話だ。
そのため、店を閉めるという話も出てきている。

確かに、近年、昔とは異なり、麺の茹で具合、スープとタレの配分などにバラツキが多く、おいしく食べることのできる日が少なくなったと思っていた。
特に、4人前の麺きりをする時に、雑味が残り、おいしく食べられないと考えていた。

この店は、隣町に支店がある。
だから、似た味を誰かが引き継ぐのかもしれない。

しかし、発祥の地では、もはや名物ラーメンを食すことができなくなるかもしれない。

私は、個人的に作り方を教わって、暖簾を保ちたいという思いもある。
しかし、仕事がえするほどの勇気はなく、修行に耐えるだけの気力もない。

老舗が1つ減っていくのかもしれない。
ただ、その斜め前にそれほど人気店ではなかった新興店が、なぜかミシュランの星をとったので、客が増えている。
時代は、そうして変わるのかもしれない。