- 言葉が違う -
例えば、豊かな世界では、「できる」という言葉をよく使う。
貧しい世界では、「できない」「だめだ」という言葉をよく使う。
そういう言葉を使っていると、本当にそうなっていく。
では、普通の世界ではどうか?
普通の世界の人は問題が起きたときに、「何が原因か?誰に責任があるか?」と考える。
豊かな世界の人は別の考え方をする。
「どうしたらいいか?」「何ができるか?」と考える。
普通の世界の人たちは、物事がうまくいかなくなってから、「なぜ?」と考える。
成功している世界の人はうまくいっているとき、表面上問題が発生していないときに「なぜ?」と考える。
子どもは当初、「できる」という豊かな世界を持っている。
それが、「現実」というものを教えられる教育、そして大人の言葉という教育によって、「できない、だめだ」という貧しい世界に引きずり込まれてしまう。
2歳の子が冷蔵庫からアイスクリームをとって食べようとしていた。
制限しなければ、一日に何個も食べてしまう。
また、食事前に食べてしまうと大切な食事がほしくなくなる。
そのために、時間についても制限をしなければならない。
子どもが昼の食事前にアイスクリームを食べようとした。
これを親は止めなければならない。
「今はだめよ」「食事前はいけない」と注意して一悶着あった末に子どもは泣きわめくという結果に終わった。
このエピソードでは、親も子も「できない」という貧しい世界の中にいる。
この貧しい世界を豊かな世界にするにはどうしたらいいのか?
考え方と言葉を豊かにすることにある。
泣いている子に、「お風呂に入るときにあるよ」「マンマ食べてから、あるある」「あるよ」と伝えると、子どもは泣きやみ、待つことができるようになった。
こうしたエピソードは至る所で応用できる。
考え方の習慣による。
「できない」と教え続けられた子どもは、「世の中は自分の思ったことができないんだ」と思い込むようになる。
条件つきではあっても、「できる」と教え続けられた子は「世の中は自分の思ったことができる」と思い込むようになる。
これらはおそろしいことに、潜在意識に刷り込まれてしまう。
子どもを誰かターゲットにして、ほめることにする。
「お前はかねがねのびるやつだと思っていたんだ」
「お前ほどの人間がなぜこのレベルでくすぶっているのか、私にはわからない」
「お前は普通とは違う人間になれる」
「お前がした行為には、すごく感動した」
などとほめることにする。
つまり、できるというメッセージを送るようにする。
そうすると、その子どもの目が変わって、いきいきとして何かをやるようになるだろう。
これをピグマリオン効果という。
うそだと思ったら、やってみたらいい。
損は、しないから。