大手企業は、利益が出ていても、下請け業者の利益を増やそうとはしません。
下請け業者は、部品の製造だけではありません。
メンテナンス作業、物流の調整なども行っています。
詳細は明かしませんが、ある大手企業が委託している業務の一例のお話をします。
その企業の電気系統のメンテナンスをある中小企業が行っています。
しかし、その企業の給料は安く、新入社員が入社してもすぐに辞めてしまいます。
そのため、実働しているのは、主として60歳以上の方です。
そのような中で、65歳を越えて、退職する予定の人も入っています。
人が入らず、人が出て行く。
組織としては、崩壊していくパターンですね。
40代の人が若手で、これまで社長が行っていた仕事の代行をすることになりました。
さて、その企業は、存続するのでしょうか?
それとも、解散、廃業するのでしょうか?
これは、クイズではありません。
数年後の未来を生で拝見させていただくことにします。
さて、もう1社、物流の会社。
ここも人手不足で、残業が多くなっています。
仕事が多くなって、深夜までかかると、労働者も病んできます。
人が足りない → 残業が続く → 労働者の病気でさらに人出が減る
こういう状況で、会社が維持できるでしょうか?
実を言うと、私は、同じような構図を10年以上に体験しました。
研修医制度が始まって、医局の権力が崩壊した頃の話です。
都市部では人気があっても、地方の病院、というより僻地に近い場所に人は行きたがらないため、医師の偏在化が起こりました。
これまで(厚生労働省が、唾棄すべきだと言っていた)医局の力が遠くまで行き届かなくなったのです。
その結果、どうなったと思いますか?
主として、2つのカテゴリーに属する病院への派遣がカットされることになりました。
・カテゴリー1
医師にとって、不人気の病院
これは、考えてみると、当たり前のことです。
これまでは、医局の光背によって、赴任していた医師が、嫌がるものだから、凋落した医局が無理やり命じても、医局員が離れるだけだから、危険なリスクをとることを止めたのです。
・カテゴリー2
公立病院
これまで派遣していた民間病院への医師派遣を怠ると、その病院は、存続さえ怪しまれます。
病院が潰れると、経営者一同は、医局、特に派遣に関する医局長などに恨みを持つでしょう。
そのため、医師はいなくて、たちまち資金がショートしても、すぐに潰れることのない、公立病院への派遣をストップしました。
・カテゴリー3
少し人数を減らしても、何とか生き残ることのできる病院
こういう病院は、希望する定数に対して、1人〜2人を減らしながら調整することで派遣数を抑えました。
潰れるところまではいかないため、ギリギリ存続することができます。
医局は、大きな集合体なので、このようにして、乗り切っていったようです。
さて、大企業は、今後、下請けをどのように制御していくのでしょうか?
今後、日本は、新設よりもメンテナンスを重視していかないと危険だと感じています。
その動向も参考にしたいものです。