40年ほど前、人は科学の果てしない進歩を信じ、将来は天候すら人間の支配下におかれるはずだと夢みていた。
いずれはどこかでタイムマシンが開発されるはずだと信じていた。
しかし、現代物理学が示したのは、タイムマシンは、「作ることができない」という論拠だった。
時間を超えるためには、異次元の穴を通らなければならない。
その代表的な一例は、ブラックホールの穴である。
そこに入る前にとてつもない重力の差を受け、人間の体はスパゲティのように引き延ばされ、さらには、素粒子レベルにまで分解される。
あの穴に入った先にどこかにはき出されるとしても、それがどのような場所で、どんな時間を持っているのか分からない。
つまり、ワープという現象は、人間がその人のまま、ゆきたい場所や時間を選択することはできない。
言い換えると、人間の人体の一部が原子よりも小さな素粒子レベルになって、場所や時間の分からない「どこか」に辿り着くのが精一杯の限界らしい。
私は、タイムマシンが未来永劫開発されることがないということを知って、ひどくがっかりした記憶がある。
台風があった。
火山噴火があった。
大雨による土砂崩れがあった。
地震があった。
津波があった。
どれも人間が制御することのできないものである。
だから、できることとしたら、
・住まいは、なるべく山のふもとを避ける
・住まいは海辺の低地を避ける
・丈夫な家に住む
・いざという時のための備えをしておく
ということくらいしか、やりようがない。
人間がいかに小さいかということを認識し、今できる範囲でリスクを抑えることは大切だと思う。