外来に限りますが、「精神障害者は、通院負担を公費でまかなう制度」があります。
精神障害者というと、おおげさで、入り口が狭いようですが、精神病の方だけでなく、うつ病の疾患でも適応はあります。
ただし、ただの不眠症というのは適応外です。
具体的にはどういう制度かというと、精神的に治りにくい病気に罹患している人は、申請すれば、3割の外来費用が1割になるというものです。
2割は、県が負担するので、通院公費とも呼んでいます。
以前は、この通院公費は、0.5割だったのですが、随分前に1割に値上げされました。
(昔、自治体によっては、大阪などは0割という生活保護と同じ扱いをしていた地域もあったようです。)
この制度は、精神障害者の外来負担を減らすためにものでありますが、この10年くらい別名もつけられています。
「自立支援」という名前です。
これは、自分でできることは自分で行いながら、厳しい面を援助するという趣旨でできた名称だと思われます。
この制度は、誰でも利用できるわけではありません。
軽度の疾患で、特に金銭的に困っていない方は利用すべきではありません。
しかし、中等度、あるいは重度の障害の方で、金銭的な余裕のない人に、この制度をお勧めしたいと思います。
適応は、精神疾患に限られ、安くなる制度が使えるのも精神科、心療内科などの精神的な疾患を扱う医療機関に限られます。
昔、不思議に思っていたことです。
最近の記事と関連することでは、医療費が安くなる医療機関は登録した1つの病医院と調剤薬局に限るという制限があります。
つまり、申請して認可がおりたからといって、どこの医療機関でも安くなるわけではないわけです。
申請した機関以外では、通常の3割負担となるのです。
これは、セカンドオピニオンは(原則的として)保険がきかないことやドクターショッピングを牽制している事情がうかがえると思います。
文句を言われる方もおられるかもしれませんが、自費としていないことは許容できると思います。
では、現在、登録している医療機関が自分に合わないので、変更したい場合にはどうしたらいいのでしょう?
それは、医療機関の登録変更を行えばすむことです。
予め、市役所に行って(窓口が市役所ですから)、手続きしておけば大丈夫です。
また、手続きしないで受診した場合でも、受診した当日中に変更の手続きをすればOKです。
ですから、何がなんでも申請したところにかからないといけないという厳しい制度ではないのです。
義務を心がけている人にとっては、難関ではありません。
好き勝手にしようと思った場合に制限がかかります。
それは致し方ないと思い直してほしいところです。