2015年3月29日
税務署に手土産を渡すか?

8月に行われた税務調査の結果がなかなか解決されなかった。
大きな問題はないのだけれど、懸案事項として、3つ出ていた。
1つは、交通費の問題。
2つめは、家賃扶助を出していた職員が、嫁の姪にあたるので、特殊関係人ではないかとのこと。
この2つは、税理事務所の努力のおかげもあって、解決できたようである。
ただ、1つだけ課題が残った。

何が問題視されたかというと、法人(会社)で借りていた社宅の退去費用が多い、しかもそれを経費として認めるかどうかでもめているらしい。言い分としては、多寡は別にして、退去費用を経費に算入することを認めたくないという内容であるらしかった。
それで、税理事務所の方がお話に来られた。

この退去費用を経費にするかどうかは、法律で定まったものはなく、まったくのグレーゾーンらしい。
ある法人ではみすごされ、ある法人では、経費算入できず、別の法人では一部のみを経費算入として認められたそうである。
つまり、調査の仕方のみならず、解釈や係員の考えによって、変動するものらしい。

さて、その案件に対して、どのように対応するかという私の意思を訊ねてきた。

私の経験上、病院の社宅として使用したアパートに対し、病院を退職する際、精算するが、退去費用を自分に請求された経験が今までに一度もない。
他の医者でも請求されたという話を聞いたことがなかった。
自己都合で住居を変更する場合は、新しく入居する敷金を求められた。

この辺りが常識的な範囲であろう。

私としては、退去費用を全額経費として算入しないことに同意することはできない。
自己都合で住居の損傷が激しく、費用が多かった場合は、考慮する。
その場合は、そのアパートにて、平均の退去費用を算出してもらい、その根拠の上に余分な分を支払う気持ちはある。
その場合、もちろん、税務署に調査とその論拠を求める。

一方、全額を費用として算入しない場合には、以下のことを求め、行うという意思を伝えた。

1 退去費用を経費として算入しない法律があれば、気持ちよく支払う。
そうでなければ、法律を作ってもらう約束を文書として交付してもらう。

2 現状とその文書をブログやホームページに掲載して、いくらかでも世間に発信する。

3 不服申し立てを行い、そういう事例があることを記録として残してもらうようにする。

裁判まではしないけれど、その理不尽なできごとに対しては、自分なりに抵抗するという意思表示を行った。
税理事務所も分かりました、と返答した。

1の法律を作ることについては、一地方の税務署ではできないだろう。だから、それは難しいと言われた場合、次の方策を考えている。

法人で借りた社宅の退去費用を経費として認めている企業とそうでない企業が存在している。
今回、私の法人については、経費として認めないという方針にしている。
それならば、他の法人についても同様の措置をとるようにするという文書にしてもらおうと考えている。
もちろん、税務署名と所長名の入った、印鑑付の書類だ。
できれば、調査員の名前も入れてほしい。
こういう要求をしようと考えている。

税務署は、手土産を持ち帰らないで引き上げないという話は本当なのか?
しかし、それが不合理であれば、何のための公務員なのだ。

お金の問題ではない。
筋の通らないことは認めない。
裁判の手前まで抵抗するつもりであった。

結果、3か月くらいを経て、ようやく決着し、お咎めなしであった。
税務署が入って、まったく税金をとられないという例は少ないらしい。

今回、調査が行われて知ったのは、些細なことをネチネチとほじって、否が応でもお金をむしり取るという姿勢はやめてほしい。
もっと早く見切りをつけて、調べる企業を増やした方が得になるのではないか。
この度、予想以上の不条理を感じた。
税務署が嫌われるわけである。