平均6〜8時間が多い、睡眠時間。
4時間で足りるという人もいれば、10時間必要だという人がいる。
短い時間で睡眠が事足りるショートスリーパーは、活動的でうらやましい。
そんな中で、睡眠時間が長くなるほど寿命が縮む?という話題が、ダイヤモンドオンラインであった。
それによると、
「1980年代、アメリカで興味深い研究が行われた。100万人以上を対象に、睡眠時間と寿命の関係が調べられたのだ。結果は予想外のものだった。最も死亡率が低いのは一日あたり6.5~7.5時間の睡眠をとっている人で、7.5時間以上の睡眠時間をとっている人はそれよりも死亡率が20%以上も高くなったのだ。」
研究を行ったカリフォルニア大学サンディエゴ校のダニエル・クリプケ博士は、「睡眠は食欲と似ている。欲望に任せてものを食べると、食べすぎて健康を害するように、睡眠も、眠たいからといっていつまでも寝ていると、体によくない」と見解を示している。
日本では、睡眠時間が7時間より長い人は、死亡率が高くなるという傾向が示されたと北海道大学での研究がある。
◆睡眠を長くとると、体によくないのか?
これは、私見である。
睡眠と寿命の因果関係が分からないからだ。
睡眠が適正な人は、そもそも健康な人が多いのではないだろうか。
行き過ぎて睡眠が短い人と長い人は、精神疾患の罹患率が高い。
睡眠不足で体が弱る人もいるだろう。
体調が悪くて、睡眠が長くなる人がいるだろう。
すなわち、睡眠が適度にとれる人に健康な人が多くて、長い人に病気の人が多いということはないだろうか。
飲酒でもよく言われる。
Jカーブと言って、統計的には、日本酒換算で1〜2合くらい飲む人の寿命が長い。
それ以上飲酒する人は、寿命が短くなる。
大量飲酒が体によくないということは、理論的に説明できなくとも、感覚的に分かるだろう。
身近にそういう例もよくあることだから。
一方、本当に体が悪くて飲めない人は、寿命が短い可能性がある。
つまり、少量をうまく飲酒できる人が健康な人だという理屈は成り立たないのであろうか。
うちの犬は、年老いてから、睡眠時間が長くなった。
これを持ってして、睡眠時間を長く取ると、寿命が短くなるという見解は誤りである。
うちの犬は、老犬だから、余命が少ないという前提を抜きにして語ることができない。
睡眠の取り方が寿命に影響しているのか、それとも体調のよくない人の睡眠が異常だが、それも統計に反映されているのか、そのところは明らかになっていない。
科学は仮説を立てて検証するものである。
この件に関しては、不明である。
また、正式表明している医学会の見解も変わることがままあるということは、必ずしも悲しむことではなく、さらなる科学や知見の進歩を物語っているのかもしれない。