息抜きに番外編の講座をします。
一時期よりは減りましたが、まだパチンコ人口は、カジノ人口より多く存在します。
小さな田舎町にまで浸透しているので、成人なら、誰でも気楽に入ることができるようになっています。
ラスベガスのようにおしゃれをする必要もありません。
ラスベガスのホテルは、社交場です。
でも、パチンコ屋は、ジャージとトレーナーで行ってもOK。
遊技場であるとともに鉄火場です。
一般に1回パチンコ屋に出かけると、3回に1回勝てるかどうかという話を聞きます。
つまり、3回に2回は負けるのです。
夫婦で一緒に出かけると、2人揃って勝って帰ることができることができるのは、9回に1回?概ね、10回に1回くらいですね。
今日は、二人とも勝ったから、おいしいものを食べに行こうかという機会はめったにありません。
プロ級の腕でもない限り、パチンコ屋に入った瞬間に、「負けた!」と言っても過言ではありません。
なぜ、人はパチンコで負けるのかを、ゼミ形式の娯楽話として紹介します。
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登場人物紹介
講師
一文字浩介
地方の準難関大学卒であるが、なぜか帝国大学の講師をしている
心理学者の若手
興味は豊富で、多彩な知識を持つが、まだ何も大成していない
学術とは変わった認識を持つ
言葉使いは、ていねいだが、少し変わり者
生徒1
橘涼香
元、理系女子
宇宙など、壮大なものにあこがれる
宇宙物理学科を目指し、大学受験では合格できるレベルにあったものの、研究に残ることができる者は、ごく一部の天才だけと知り、人文科学を専攻する
気丈な性格といえる
生徒2
円山由貴子
文系女子
ふくよかで、穏やかな才女
彼女の優秀さは、時にかいまみられる
感性豊かな性格
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橘:先生は、以前の講義で、パチンコで1ヶ月に10万円以上負けて、生活できないと思ったと言われていましたね。
一文字:はい。その通りです。
橘:それから、取り戻していったのですか?
一文字:すぐにはできませんでした。
翌月は、負けをマイナス2万円台に減らすことが精一杯でした。
橘:じゃあ、結局、負け組じゃないですか!
一文字:いえ、ところが、さらに次の翌月に10万円以上勝ったのです。
橘:一時的に運がよかったのでしょう。
一文字:そうかもしれません。
しかし、その後、あの世界から身をひく2年間ほどの間、マイナスになった月がないのです。
橘:えっ?ほんとですか?
円山:涼香ちゃん。私は、先生の言うことは十分信頼できる話だと思いました。
だって、一文字先生は、ウソをつくのが苦手だから。
一文字:円山君の洞察はするどいです。
デタラメなウソを言っても意味がありません。
橘:では、どのようにして、勝ちを拾っていったのですか?
一文字:研究をしました。パチンコ雑誌も出ているものをほぼすべて買っていました。
橘:パチンコ雑誌には、有用な攻略法が書いてあったのですか?
一文字:そうなのです。
台のデータは、公式のものが発表されます。
その他、小手先の技術、オカルトが多い。そして、時に有用な攻略法が書かれてありました。
雑誌を読んで、実践して、また雑誌を読む。
これまで飲み会でしか開けなかったビールを、雑誌を読みながら、チマチマと飲むのが楽しみになってしまいました。
パチンコしなかったら、下戸のままで、普段飲みはしなかったと思います。
円山:ここで、1つ重要な法則があります。
1つ枠を外すと、別の枠も外れることがある。
一文字:その通りです。鋭い洞察ですね。
昔から、言われている、「飲む、打つ、買う」はセットでやってくることが多いのです。
橘:博打と酒飲みがセットでやってきたのは、間違いありませんね。
一文字:それは、認めます。
では、話を戻しましょう。
ぼくが、勝てるようになったのは、偶然ではないのです。
橘:一番、役に立ったのは、何ですか?
一文字:おそらく、設定判別法ですね。
パチスロには、6段階の設定があります。
おなじ台で、それを変えることができます。
設定1は、最も出ない台。
設定6は、最も出る台。
入れたコインに対して、どれくらいの変換率があるかという機械割が設定によって決まっています。
ぼくが、当時、打っていた台でいうと、設定1の機械割が90%くらいで、設定6が110%ほどでした。
円山:設定を変えることで、20%の差を出しているのですね。
一文字:そういうことです。
橘:具体的には、どのような金額の差になるのですか?
一文字:パチスロを一日フル稼働させると、概ね8000回転させることになります。
1回に3枚のコインを投入しますから、240000枚になります。
橘:ということは、設定1では、その10%のマイナス2400枚、設定6では、プラス2400枚くらい獲得することが基準となるということですね。
一文字:さすが、元リケジョ。計算が速い。
円山:それで、金額の差はどのくらいになるのでしょう?
一文字:パチスロのコインは、1枚20円ですから、プラスもマイナスも48000円という換算になります。
橘:えー、最低と最高では10万円の差が出るじゃないですか。
そんなに違うのですね。
一文字:そうです。
設定3と4が中間です。
その間が、100%の機械割。つまり、入れたコインと出てくるコインの数がおなじくらいになります。
橘:なるへそ。
生かさぬよう、殺さぬようにが、それくらいの設定ですね。
円山:でも、その設定では、店の儲けはありませんね。
一文字:そうなのです。だから、低い設定が標準となっていることが多い。
円山:設定は、店が独自に決めることができるのですか?
一文字:はい。台の基盤を操作することは違法ですが、元から備わっている設定を開店前に1から6の任意に振り分けします。
橘:うん、なるへそ。
一文字:ただし、開店したら、閉店まで設定を変更することができないルールになっています。これは、警察関連の公安委員会の指導です。
円山:公安委員会の規則に従わないと、どうなるのですか?
一文字:営業停止ですね。せっかく買った台の撤去もありえます。
橘:ふーん。
円山:ここで、話をまとめると、パチスロで勝つためには、「設定の高い台」を見つけて打つことが大切だというになりますね。
一文字:それがね。そう単純ではないのです。
橘:なんでですか?
一文字:同じように、
「パチンコ、パチスロに勝つためには、何が一番大切ですか?」
と質問すると、たいていの人は、
「出る台を打つ」
と答えます。
そういう人は、ほぼ例外なく負けています。
橘:えー?!違うの?
一文字:そうなのです。
勝っている人は、こう言います。
「出ている店に行くこと」
これが、第一段階です。
橘:あ、そうなのか。
出ている店は設定が高いことが多い。
出ていない店は低い。
一文字:パチスロ内部の設定は、外からみることはできませんからね。
ドアを開けて、初めて確認することができます。
これが出発点となります。
円山:意外なところに着眼点があるのですね。
一文字:パチスロで勝つための関門は、たくさんあります。
今日は、ここまでね。
橘:ケチ!
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パチンコに勝つためには、出ている店を見つけることが最初の一歩
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