経済事情に詳しい方は、アメリカが7%台の高インフレであることをご存知でしょう。
欧州もアメリカより少し低いインフレが始まっています。
イングランド銀行は、米国に先駆けて、利上げをしました。インフレ抑制のためです。
長年デフレだった日本も今後は、インフレに転じる見込みです。
食料品やガソリンの価格上昇は、すでに実感済みでしょう。
セブンイレブンの弁当も以前より、何となく高い、高い気がする。
気のせいではないでしょう?
4月からは、食料品などの日用品の値上げラッシュが目を引くかもしれません。
日本では上げづらい価格も「みんなで上げれば恐くない」と一斉値上げに走る可能性があります。
調理関係のお品が上がるので、主婦は、敏感に反応することでしょう。
製造業の世界でも仕入れ値が上がっています。
石炭、鉄、銅、アルミなど工業製品で使用するマテリアルは、すでに値上がりしています。
木材の価格も高騰しているため、家の新築の価格を企業努力だけで抑えることができなくなっています。
一般家庭にとって苦しいのは、食費の増加です。
エンゲル係数の上昇(家計の支出に占める食費の割合)です。
それに加えて、原油価格の高騰により、ガソリン代が高止まりします。
原油が100ドルを超えると、ガソリン代も1ℓ 200円に迫ってきます。
現在、ロシアがウクライナに推定10万人の軍を配備しています。
ロシアは、情報戦で、フェイクニュースとサイバーテロを組み合わせて、人間同士が激突する、戦争の手前で手ぐすねを引いています。
ウクライナ情勢が緊迫した状態、さらにロシアに占領された場合には、天然ガスおよび原油価格が上がります。特に天然ガスについては、顕著な値上がりを見せることでしょう。
これが恒常的になると、電気、ガスの値段も上がります。
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現代の戦争では、情報戦が必須であり、その前駆状態であります。
人類が核兵器を手に入れてから、核保有国同士は、第二次世界大戦のような戦争ができなくなったのです。
最終兵器の核を使用されると、お互いの国が消耗というより、壊滅しかねないからです。
映画、ターミネーターでは、全世界にくまなく核が投下された様を描いています。
類似した未来像が起こる可能性はあるのですが、現時点では抑制されています。
昨年、2021年、インドと中国の国境で軍事衝突が起きました。
その際、これまでの紛争と大きく異なるのは、双方の国が、銃器や火器を使用しなかった点です。
どんな紛争かというと、初め、投石と素手の殴り合いが行われました。
後に鉄釘を打ち込んだ野球バットを使い、復讐をしました。
子どものケンカが大きくなった風体ですが、これが現実です。
インド人は猛烈に怒り、中国製のスマホアプリを排除するというアプリを開発して、中国とのネットの通信を遮断する方向にまで走りました。
これは、一部緩和されましたが、両国の間に正規軍の衝突があっても、火器を使わないことに意味があるのです。
一度でも銃撃戦になれば、死傷者の数は知れず、エスカレートして、行き着く先が分からないからです。
行き着く先の最悪の状態は、核兵器での応酬です。
国家の損得勘定を考慮しない国家元首は別にすると、核を保有することは、相手国への牽制に多いに役立っているという実例です。
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話をインフレに戻します。
今後、食料品価格が上がっていくという事態は、確信しています。
もうすでに実感済みです。
来年は、それに加えて食料品の原材料をさらに高騰させる要因が起こりました。
トンガの海底火山の大噴火です。
数十年に一度というくらいの規模だと聞いています。
(※写真をクリックすると、爆発の様子をみることができます。)
Wikipediaより
大噴火がなぜ、食料に影響する?
それは、大量の火山灰が成層圏にまで噴き上がるからです。
成層圏では、気圧が低く、重力の影響が少ないため、飛散した火山灰が落ちてこなくて数年間停留します。
そのエアロゾルが太陽光を遮るはたらきをします。
1991年には、フィリピンのピナツボの大噴火の影響で、地球全体の平均気温が0.5℃下がったと考えられています。
気温が下がると、小麦、トウモロコシだけでなく、米の生産に影響します。
日本では、日照不足の問題で、米の生産量が著しく減少しました。
当時から現在にかけて、日本のメジャーな食料品で自給率100%といえるのは、米だけです。
その米が1991年から1993年まで不作だったため、2年間の備蓄をしていた政府米も底をつき、タイ米を輸入することになりました。
日本が、海外から米を輸入することになった初めてのできごとです。
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ここで、ちょっと歴史の話をしますね。
江戸時代の米の不作で、大きな飢饉がいくつかあったこと習ったでしょう。
その中でも、天明の飢饉は、江戸中期の1782年から1788年わたる大飢饉です。
元々、東北地方は冷害が多く、飢饉の前からすでに疲弊していました。
そこに加わったのが、天明3年(1783年)の岩木山の噴火、次いで同じ年の夏に浅間山が噴火しました。
こうした噴火による火山灰の影響が日照不足、そして、それによる冷害をもたらしました。
これだけではありません。
1783年6月3日、アイスランドのラキ山の巨大噴火が起こりました。
さらに、同じアイスランドで1783年から1785年までグリムスボォトン火山の噴火が起こりました。
局地的な噴火と世界的な噴火が重なり、異常気象をきたしたと考えられています。
天明の飢饉は、江戸時代の四大飢饉の中でも最も凄惨なもので、生き残った人は、死んだ人の人肉を食べたという記録も残っています。
米本位制の江戸時代では、食糧危機とともに、財政難ももたらしたのです。
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今年が冷夏で不作になるかどうかは、定かではありません。
しかし、せめて米だけは持っておこうと、玄米を備蓄しました。
少し贅沢ですが、特A地区の南魚沼産のコシヒカリの玄米を100kg買い付けました。
この地区のコシヒカリは、通常、お歳暮などの贈答品にもあまり見ない贅沢なお品です。
新潟県産コシヒカリが5kgで5000円くらいの相場なので、南魚沼産だと、1万円くらいするかもしれません。
50kgの量を、日をおかず、2回に分けて注文したため、注文先から、「間違えの発注ではありませんか?」と確認の電話がありました。
いいえ、誤発注ではありません。
私は、現地のJAと取引をしていますので、5kgあたり3000円くらいの価格で仕入れをします。愛媛県の米と比べると、高いと言われれば、そうですが、2人くらしの我が家では、6万円の金額で1〜2年の間、米を買わなくてすむでしょう。
精米だと、月日による劣化が大きいため、この度は、玄米を購入して、必要な分だけ、こまめに精米して補おうと考えています。
もし、インフレと不作で米価が高騰した場合には、現在の稀少米も高い買い物ではなくなるかもしれません。
玄米では、他に腸の健康のため、そのまま口にする食べやすい玄米も注文しています。普通の玄米より粒が細かく、硬さも軽めで食しやすい製品です。
これを60kgほど追加購入しました。
宮沢賢治の詩、「雨にも負けず」で、
「一日に二玄米四合ト 味噌ト少シノ野菜ヲタベ」
という言葉があります。
※底本:「【新】校本宮澤賢治全集 第十三巻(上)覚書・手帳 本文篇」筑摩書房 1997(平成9)年7月30日初版第1刷発行
玄米は、ごま塩をかけたら、それだけで生きていけるかもしれないと言われている完全食に近い食べ物です。
私は、子どもの時分から、下痢をしやすく、腸の調子がよくありませんでした。
しかし、もう少し正確に分析すると、便秘と下痢が交互にやってくる不安定な体調だったのです。
寝不足をすると、ほぼ必ずお腹を下しました。
それが、後に実家を出てから、朝ごはんを食べない習慣の理由となりました。
ところが、玄米を食べると、ほぼ毎日、きれいな形のものになります。
便秘も下痢もほとんどなくなりました。
人って、なぜ、よいものを捨て、身体によくないものを取り入れてしまうのでしょう?
この問に対しての答は、単純です。
「おいしいから」ですね。
甘い物を食べると、「脳が喜ぶ」のです。
薬師丸ひろ子が主演した、映画「セーラー服と機関銃」に出てくる有名なセリフ、「快感(か・い・か・ん)」ですね。
(古い人にしか分からないか)
さて、今後の食料は、どうなっていくのでしょう。
世界的なグローバルな視点で観察して、身近なところで策を練る必要がありそうです。