先日、飼い犬にやられてしまった。
嫁がお買い物バッグを片付けずに床に置いていたようだ。
そこに食料品が入っていた。
何かの都合でバッグの上に置いてある物をとると、食べ物が剥き出しになった。
そこに、ステーキ肉が入っていた。
ヒレ肉の中でも中心部分に当たる高級部位、シャトーブリアン。
普通のスーパーなので、ヒレ肉、特にシャトーブリアンは、あまり店内に陳列されていることはないのだが、その日は運よく3つのパックがあった。
それを買い占めたわけである。
繰り返しになるが、嫁が通っているのは、田舎に展開しているスーパーだが、他の店と比較して、魚を中心として、肉や野菜、総菜の質がいいと感じている。
そのため、リピーターとなっている。
ABCマートや明治屋などの高級スーパーではない。
高級ワインや海外のチーズなどは売っていない庶民の店だ。
だから、高級部位のシャトーブリアンといえど、1パック1000円少々のお値段で提供しているのだから、等級の高いランクの肉ではなかろうと推定する(市場原理から考えて、ありえない)。
そんな肉でも、我が家では、贅沢料理となる。
そして、嫁が目を離した隙に袋から肉を取り出し、包装を破ってガツガツつい散らかしていたわけだ。
しかも、わずか5分ほどの間に3パックすべてやられてしまったことに驚きを隠せなかった。
昔から、我が家では、小さい者ほど食べるのが早いという現象があった。
体調50cmに満たない犬が、我が家の家族で一番大きな口をもってして、生肉を食らったわけである。
ちなみに、野生動物にとって、火を通した料理が必ずしもおいしいと感じるとは限らない。
柔らかくて、脂肪分の少ないシャトーブリアンは、彼女にとって、この上ないご馳走であったことだろう。
悔しさを隠せないでいる私は、腹立たしい気持ちと、もうすぐ14歳の誕生日を迎える余命残り少ない彼女の記念日になったかもしれないという相反する感情を抱えていた。
起こったことは仕方がない。
私は私で、対抗する手段を探した。
この老犬は、高い場所に登ることができない。
そのため、保管場所、置き場所に注意することで盗み食いを免れることができる。
今のところ、それで対応できるようになった。