「生き方上手」で一気に全国的に認知度が上がった日野原重明先生。
実は、先生は、ずっと前から本を出していて、
著作が200冊以上になって、急に売れ出したそうです。
それまでの著作はムダだったかというとそうではなく、そのための準備段階であったのでしょう。
その本の中で、これができたらすばらしい、と思えるものがありました。
その個所を引用します。
「心通うコミュニケーションのためのマニュアルなどありませんが、一つアドバイスするなら、
『自分のことを好きになりなさい』と申しあげたいと思います。
自分をこれ以上甘やかすのではなく、自分をとことん見つめるのです。
自分という全存在を愛するのです。
自分を愛せない人間は、決して他人を愛することなどできません」
目を内なる自分に向けること。
嫌な面も含めて、ひとまず一切を受け入れる。
その内なる自分の中に、いまだに芽を出していない、よい種を見つけ、慈しみ育てることです。
その思いに至れば、同じくかけがえのない存在である他人の心に寄り添う素地ができるはずです。
とあります。
私が大学生時代に好感を持った友人は、自分のことが好きでした。
私は、当時、それが信じられませんでしたが、今ではよくわかります。
あんなに素直な好青年は、そうしてできあがるのだと思えました。
「自分を好きになる」
若い頃と比べると、すんなり入ってくるようになった言葉です。