2023年2月16日
日本で一番有名な和歌は?

和歌って、聞いたことがあるでしょう?
5,7,5,7,7で構成される日本独自の歌です。
短歌とも言います。

俳句は、5.7.5ですね。

ところで、日本で最も(よく知られている)有名な和歌は何でしょう?

今回は、このテーマを元に日本の和歌について考えてみます。
登場人物は、3人で、ゼミ形式で語ります。

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登場人物紹介

講師
一文字浩介

地方の準難関大学卒であるが、なぜか帝国大学の講師をしている
心理学者の若手

興味は豊富で、多彩な知識を持つが、まだ何も大成していない
学術とは変わった認識を持つ
言葉使いは、ていねいだが、少し変わり者

生徒1
橘涼香

元、理系女子
宇宙など、壮大なものにあこがれる
宇宙物理学科を目指し、大学受験では合格できるレベルにあったものの、研究に残ることができる者は、ごく一部の天才だけと知り、人文科学を専攻する
気丈な性格といえる

生徒2
円山由貴子

文系女子
ふくよかで、穏やかな才女
彼女の優秀さは、時にかいまみられる
感性豊かな性格

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橘:先生、和歌はいくつか知っています。しかし、一番有名な歌って、決められるのですか?
円山:百人一首に読まれているものには、有名なものが多いです。その他にもよく知られた歌があります。
一文字:その通り。

それでもね、「これこそが一番」という歌があるのです。

橘:えー!そんなに有名なら、子どもから老人まで、老若男女が知っているはずです。
一文字:君たちは、深い知識と見識を持っています。
それでも、盲点に入っています。

橘:それは、一体、何でしょう?

「ちはやぶる 神代もきかず…」?
「……衣干すてふ あまのかぐやま」?
「花の色は うつりにけりないたづらに…」?

どれも有名だけれど、決定的な要素がない!

円山:東風吹かば、匂い起こせよ梅の花 主なしとて春な忘れそ

違いますか?
国語の先生も一押ししていました。

一文字:違います
学校の先生も、しばしば間違えます。

橘:うそー!では、一文字先生は、どこで発見したのですか?

一文字:ぼくは、学生時代に酒をたしなんでいる時、マイケル・ジャクソンをフルボリュームで聴きながら、偶然にも、古今和歌集を読んでいる間に見つけ出したのです。

橘:先生、頭がアンバランスです!

李白がたしなんでいたような濁り酒でも飲んでいたのですか?
一文字:いいえ、そのような特殊な酒を飲むことはできません。それに、ぼくは貧乏だから、発泡酒を飲んでいました。ビールの値段は高すぎます。

円山:それで、どういう結論に達したのですか?

一文字:はい。ぼくが知りうる限りの回答をいたしましょう。
もし、これ以上有名な和歌があったら、指摘して下さい。
橘:それだけ自信があるということですね。
一文字:はい。

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古今和歌集 賀の歌 詠み人知らず

343 我が君は 千代にませませ さざれ石の巌となりて 苔のむすまで

いわゆる、君が代です。

千代にませませ 👈クリニック:参考文献

原文の詳細は少し異なりますが、基本構造は一致しています。

橘:えー?君が代って和歌なのですか?

一文字:そうですよ。「さざれ石の」が字余りの歌です。

君と古今和歌集 👈クリック

これなら、小学生からお年寄りまでご存知でしょう
歌誌はなくとも、オリンピックの表彰台でメロディーが流れます。

日本固有の和歌の歌詞で、独特の旋律は印象的です。

この歌は、起立して国歌斉唱をするかしないか、議論が分かれています。
ぼくは、気にしていませんが、こだわる人は必ずいます。

外国人が知らないのは自然ですが、当の日本人が知らないとは、どうしたことでしょう?

橘:不思議ですよね。
こういうことを教える教育をしてこなかったわけですね。
円山:君が代の起立斉唱ばかりを話題にしています。
橘:何か、論点がずれてないですか!

一文字:そうなのです。
前提を知らないで、何を語っているのですか?って感じです。

橘:日本の知識人の教師の多くも知らないのですね。
一文字:私が、若手教師に講演した際、ごくわずかな方しか知りませんでした。
円山:それが実態なのですね。
一文字:残念ながら、そういうことです!

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さて、話題を変えましょう!

日本国家について語ってきました。
他の国の国家では、もっと過激なものがたくさんあります。

橘:例えば、どのようなものですか?

一文字:中国の国家は、以下のようになっています。

歌詞の意味・和訳(意訳)

起来! 不愿做奴隶的人们!
把我们的血肉,筑成我们新的长城!
中华民族到了最危险的时候
毎个人被迫着发出最后的吼声

いざ立ち上がれ 隷属を望まぬ人々よ!
我等の血と肉をもって
我等の新しき長城を築かん
中華民族に迫り来る最大の危機
皆で危急の雄叫びをなさん

起来! 起来! 起来!
我们万众一心,
冒着敌人的炮火,前进!
冒着敌人的炮火,前进!
前进! 前进! 进!

起て!起て!起て!
万人が心を一つにし
敵の砲火に立ち向かうのだ!
敵の砲火に立ち向かうのだ!
進め!進め!進め!

これは、抗日の意味が込められているのです。

橘:戦って、日本を打ち負かせ!という意味ですね。
円山:こういうのが、国歌として成立しているのですね。驚きました。

橘:以前、格安航空会社の遅延で、中国人が徒党を組んで、航空会社を相手にその国歌を歌っていました。
あれは、航空会社だけでなく、日本に対する非難ですね。

一文字:そうなります。
円山:それなら、日本に来なければいいのに!
橘:私も同感です!
一文字:後に、あの一連の行為は、現地の中国人の行き過ぎた行動ということになったようです。

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一文字:そのことを知った人がどう思うかは、自由の範疇です。
ぼくは、君が代が中国国歌と比べてひどく偏っているという気がしません。
ぼく独自の感覚でしょうか。

国歌の歌詞は、戦争に関することが多いのです。
フランスの国歌も同様です。

Allons enfants de la Patrie,
Le jour de gloire est arrivé !
Contre nous de la tyrannie,
L’étendard sanglant est levé,
L’étendard sanglant est levé,
Entendez-vous dans les campagnes
Mugir ces féroces soldats ?
Ils viennent jusque dans nos bras
Égorger nos fils, nos compagnes !

「ラ・マルセイエーズ」の対訳1番

行こう 祖国の子供たちよ
栄光の日が来た!
私たちに対して 暴政の
血まみれの旗が上がった
血まみれの旗が上がった
聞こえるか 戦場の
残酷な軍人のうなりが?
彼らは私たちの腕の中まで来て
私たちの息子や妻の 喉を掻き切って殺す!

橘:血みまみれとか、戦場などの歌詞が頻繁に出ていて、結構、恐いですよね。

円山:チャイコフスキー作曲の「1812年」では、ナポレオンが攻めてくる情勢に対して、ロシアが戦って追い払うというシナリオで描かれています。


小澤征爾指揮

一文字:フランス側からみると、ナポレオンは、ロシアの冬将軍に敗北したと解説されています。

それぞれの国が、自国の都合のよい解釈を広めています。

円山:なんだか悲しいわ…
橘:無知は敵!ハッキリそう思ったわ!

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考察:日本人は、情報リテラシーを高める必要がある
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