2013年10月21日
文化の違いで怒らないように!

日本の列車はとても時刻に正確である。
こんなに強迫的に時間にこだわっている国はないと言われている。
インドでは、昼の待ち合わせに、相手が夕方になって現れることもしばしばだと聞いた。

さて、ジュネーブからフランスに至る新幹線に乗る前、
現地のガイドさんに言われた。

「ここは、ジュネーブだけど、乗り場に入ると、そこはもう『おフランス様』なのよ。
 おフランス様では、日本と違うと思ってね」
ガイドさんは続ける。

「列車に乗った時、チケットに8号車の45番と書いてあったとしますよね。
 そのチケットを頼りに、座席を探しても一向に見つからないことがあります。
 つまり、45番という席はなくて、それはチケットを発券した係員の間違いだったりします。
 そういう時に車掌さんに文句を言ってはいけません」

日本流の考え方では、「えっ?なぜ?」と思うことだろう。

「車掌さんは、チケットを発券した人とは関係がないの。
 つまり、手配ミスは車掌さんの責任ではないのですよ。
 だから、それを責め立てると、車掌さんは、プイと怒って話をしなくなるかもしれません」

…ああ、あるほど。それは、確かにその人の責任ではない。
日本では、組織での連帯責任を求める傾向にある。

「そういう場面に出くわしたら、怒ったり、慌てたりせず、
 空いている席に座っていてね」
(はい)
「そうして、車掌さんさんが間違いを見つけたら、代わりの席を用意してくれますからね。
 同じ2等車に席がなければ、1等車になるかもしれません」

そういう話を聞いて、私たちは、ほんのちょっとの覚悟を決めた。

日本のように正確さを求めない。
相手を責めない。

異文化に触れることで、日本の文化を再確認できる。

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今回の教訓
個人のミスと組織のミスを混同しない方がよい。
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