今年の4月に診療報酬改定がありました。
つまり、医療や介護の保険点数に変更が加えられたということです。
今回、大きく変わったのは、
「在宅患者訪問診察料」にかかわるものです。
これは、分かりやすく言うと、往診で算定できる報酬に変更が加えられたということです。
今回の変更には、ものすごい圧力を感じます。
1)まず、ある条件で、訪問診察料が半分になりました。
診療報酬というものは、3%とか5%とか、少し下げることがあっても、いきなり半減ということは少ないものです。
これは、「それをするな!」というメッセージと捉えられます。
2)次に、同一の建物に住居する人々については、1人しか算定できなくて、他はただみたいな金額になってしまうことです。
まとめて往診できるなら、行えたことが、費用対コストが大幅な赤字となり、中止する往診医が増えることを意味します。
3)同一建物の往診では、すべての患者に対して、面倒な書類の提出を義務づけられました。
値段が下がった上に、事務コストが増えたということです。
4)患者の同意書をとらなくてはならない状況にしました。
これは、ある程度、うなずけますが、早い段階に表明してほしいことです。
以上は、同一の建物に居住する人を何人も往診して、しかも介護系の業者を紹介することで、紹介料をもらって、利益を得ている人に対する処罰的な方針です。
確かに、キックバックをもらいながら、たんまりと往診料ももらうというのは納得ができないかもしれません。
今回の改定は、そういう業者を封じ込める対策ですが、現状は、まっとうに往診をしている事業所にやる気をなくすものとなりました。
採算が合わないから、部門を縮小する。
このままでは、事業所がつぶれるから、背に腹はかえられないと撤退の方針をとったところ。
いずれにしても、患者さんに来てもらう方が採算がよいなら、わざわざ出向く必要はないという理屈になるでしょう。
民主党がまともな政策を実行できないため、自民党に政権が戻りましたが、安倍内閣は、変なところに強気です。
▼靖国問題
▼防衛問題
▼個人情報問題
医療・介護に対しても強気の感じがします。
消費税アップ分が全額、医療や介護に使われるというのもウソみたいですし…。
小泉政権時代に、地方から医者が出ていったような、いなかで医療崩壊が起きないことを願っています。