1980年代にプリンセスプリンセスという、女性だけのバンドがヒットした。
いくつかの曲は、1位をとった。
最初にトップになった曲で、有名なのは、「Diamonds」という曲である。
後に、「M」という曲もヒットした。
(いつも一緒にいたかった、となりで笑ってたかった
…
あなたのいない 右側に…)
と続いていく。
今回のテーマで取り出したのは、男女の位置関係である。
この作詞をした人にとって、男性が右側、女性が右側にいることが通例だと読み取れる。
一方、槇原敬之さん作詞作曲の「もう恋なんてしない」では、
(いつもよりながめがいい ひだりに少し とまどっているよ)
というセリフがある。
これは、女性が通常、左側にいたことを示している。
場面設定からすると、車の助手席が空いていることを指しているのかもしれない。
この2曲に共通すること
それは、女性が左側、男性が右側にいるのが慣例になっていること。
意味のあることか、偶然か分からないので、事情を検索してみた。
マイナビニュースでは、有効回答が583件の内、彼氏・夫の左側に立つ女性が67.8%という結果となった。
(右側 188人、32.2% 、左側 395人、67.8%)
東京、名古屋、大阪の居酒屋で、カウンター席に着いた300のカップルについて調査したものもある。
その結果、82%の男性が右側に座ったという。
こういう調査は、やる気があれば、自分で定点調査を行うことができる。
そして、概ね、男性が右側、女性が左側という結果が多いようにみえる。
男性が右をとることが多い理由については、
・何となく落ち着くから
・ドライブでも男性が右(運転席)だから
・男性は、利き腕を自由にしておきたいから
女性については、男性に守ってほしいという女性の方が左側を好む傾向にあるという。
そして、大脳生理学的には、右耳から話しかけられた場合と、左耳から話かけられた場合に反応が異なるということが言われている。
脊髄から脳に神経が行く途上、左右が交差するため、左耳で話しかけられた場合は、情報は右脳に行きやすい。
右脳は、感性、直感、情緒を司ることが多い。
一方、右耳から入った情報は、左脳に行くため、言語的、論理的に処理されることが増えてくる。
男性に何かを依頼する場合は、右耳から声をかけたら要求が通りやすかったという心理学的な実験もある。
これらは、どちらかというと多くみられる現象であり、個別には適用されない。
それでも、脳の構造と環境により、統計学的には有意に女性は左側にいることが多いと推定されている。
2つの歌は、それぞれの慣習であるが、多くの人の潜在的な感性に訴えた可能性がある。