2013年3月15日
住宅ローンの金利の怖さー未払い利息

住宅ローンの金利について触れました。
もう一つ、続けて書いていた方がよいと思ったものがありました。
意外に知られていない現実です。

現在、変動金利で借りている方は、5年間返済額が保たれている場合が多いと思います。
その場合も実は半年に1回金利が見直されているのですが、返済額が一定でないと困るということから、同じ額の支払いを行います。

ということは、金利の変動によって、元本の返済が増えたり減ったりするのです。


さらに恐ろしいのは、5年後に金利が大きく上がった場合です。
以前、2000万円の借り入れを30年で行う方の例を挙げたことがありました。

0.7%の金利の場合は、年間の支払額が約74万円。
これが3%に跳ね上がると、101万円になるはずです。

なるはずというのは、実際にはそうならないことが一般的だからです。
5年後の金利の見直しで返済額を上げてもいいのは、前回の1.25倍までと規定しています。
ということは、年間の支払額は、約94万円となります。

さて、それでは、101万円 ー 94万円 = 15万円
は、一体どういう扱いになるのでしょうか?

これは、未払い利息といって、通常の利息に加えて積み上がっていきます。
支払いは、元金よりも利息の支払いを優先するため、金利の上昇が大きいと、払っても払っても一向に借金が減っていかないケースがおこります。

もし、5年後に金利が5%に上昇していたら、約129万円。
129万円 ー 94万円 = 35万円
の未払い利息が積み上がります。

すなわち、ローンをきちんと返済しているにも関わらず、ローン残高が増えていくという信じられないような事態が起こることがあるのです。


現在は、1.25倍までという規定を取り払っているローンもありますが、以前の74万円のローンできつい生活を営んでいた場合、129万円にアップすると、いきなり破綻するケースも出てきます。

いずれにしても、金利の上昇というのは、住宅ローンにおいて、破壊的な威力を持っているということを知っておいて損はないでしょう。


このところ、変動金利を選択する方が増えているので、後に大変な世の中になってしまうのではと懸念しています。

*注:金額は、正確に割り出せないため、目安と考えてください。