私が中学生の時、行きつけの眼科がありました。
たいそう流行っていて、患者であふれかえっていました。
市の長者番付1位になったこともありました。
その流行っている眼科は、看護師が思うように動かないで仕事が滞ると、診療をストップさせて、話し合いのテーブルを設け、注意していました。
その診療所の名物シーンで、「またか」と思ったものです。
元々、待ち時間の長い患者は、さらに話し合いの時間も待たされることになるのです。
そのお医者さんの場合は、わがままで、自分の思い通りにならないと、説教する習性を持っていたのだろうと思っていました。
実際、そうなのかもしれません。
ただ、最近になって、違う角度から物事を見ることができるようになりました。
ご存じの通り、トヨタは、「カイゼン」や「かんばん方式」が有名です。
一例を挙げると、作業効率の改善についての話です。
A工場長は、ラインにトラブルがあると、応急処置をして、できるだけ稼働させようとした。
B工場長は、ラインにトラブルがあると、ラインの流れをピタッと止めて、原因を究明してから再稼働するようにしました。
当初、生産能力が高かったのは、A工場でした。
しかし、時間を経るにつれ、A工場の生産は頭打ちとなり、代わって、B工場の生産能力が追い越し、さらに時間をかけるとその差が広がったといいます。
いい加減にやれることをやっているより、しっかり足下を固めて、後顧の憂いなく仕事を進めた方がより遠くに進める、あるいは高みに上れる、ということでしょう。
前出の眼科医にそういう意図があったかどうかは不明ですが、仕事の手順がおかしい時に少し、手を止めて確認することは、ミスを防ぐことにつながるでしょう。
どこでもそうですが、人間のすることに間違いはあります。
・保険証を返し忘れた
・処方を書き換える時に書き写し間違えた
こういう時に、仕方がないでもなく、今度対策を立てるでもなく、その時に改善策を考えることが大切となります。
反省が必ずしも役に立つとは限りません。
仕組みです!
どういう仕組みで、それを少なくするか。
先日、そういう例に対して、業務を少し止めてでも新しい仕組みを考え、マニュアルとして、プリントを出しました。
こういうことの積み重ねは、大きく影響します。
トヨタのカイゼンと比較すると、薄くて浅はかなことかもしれませんが、頭を使って工夫することが必要となります。