2018年7月4日
人生は、平坦ではないからね

治療をしていて、具合がよくなったから、薬を減らしていこうという話が出てくることがよくあります。

「もう1回様子をみて、次に具合がよかったら、減らしましょうね」
と約束して診療を終えることもしばしばあります。

自分も、そのことを忘れないように、カルテに赤字で書き込んでおきます。

そして、1ヶ月経ちました。
何ともなかった人には、減らす薬や減らし方の算段を決めていきます。

しかし、不思議なことに、けっこうな確率で、こんなことが起こります。

「今回は、家の問題があって、苦労しました。まだ、見通しがついていないので、薬は減らないでください」

「仕事が急に忙しくなりました。負荷がかかっているので、今薬を減らすのは心配です」

「人間関係のトラブルに巻き込まれました。薬を増やすほどではありませんが、このまま様子をみたいです」

なんてことが、起こって、少しだけびっくりします。

前の約束が、次に何かが起こることを暗示しているのか?
いい時期が続いた後、ちょうど、変化の波が来る前だったのか?

不思議なことですが、そういう時は、
「分かりました」
と言って、そのまま維持します。

最近は、話を聞いた後、
「人生は、平坦じゃないからね」
というと、
「うん、うん」とうなずく方が多くおられます。

詳細は分かりませんが、バイオリズムというものがあります。
睡眠周期、生理の周期があることには異論がないでしょう。
その他、苦手な季節がある方も多くみられます。

梅雨時は、低気圧になりやすいので、敏感な方は、気圧が下がる時に頭痛がきます。
また、温度の寒暖差が大きいと、自律神経がうまく調節できないため、体のだるさを感じることもあります。
天気によって、気分がかなり左右される方もおられます。

その他、急に家族が病気で入院して大変になった。
親族が急に亡くなって、葬儀関係で疲れた。

など、予測がつかないことも起こります。

そういう私自身にも、最近、どこかで来るけれど、「今日くるのか?」という、急な心配事やストレスがやってくることがあります。

人は、通常、
「明日は今日の延長線上でやってくる」
と思いこんでいます。
しかし、決してそんなことはないのです。

あらかじめ、備えることができることは備え、そうでないことは、その時にこなしていくしかありません。

人生が平坦だと考えていると、落とし穴にはまります。