現在、首都圏では、不動産中古の在庫が積み上がっています。
また、全国的に新築マンションの売れ行きが先細っています。
販売率70%を低下しており、新築を値引きして売るのか、座して待つのかどちらかです。
一方、地方の中のさらに地方都市では、低金利でお金を借りることができる時代にマンションが林立しました。
私が知っている街も飽和状態と思えるほど、マンションが建ちました。
一方、マンション需要のない、さらなるいなかには、1棟のマンションも建築されていません。
今、マンション建設が一段落した地区には、相続税対策として、賃貸アパートの建設を押し進めています。
その結果、所有物件が飽和状態となり、賃貸物件も過剰となると、数年後の不動産価格が下落することは、市場原理として明らかです。
特に、少子高齢化のために人口が減少している日本においては、必然の現象です。
そのような状況の中で、不動産を早めに売り抜きたいという人が増えてきました。
売買価格が下がる前に売り切りたいという要望が増えているのです。
また、住みにくい地域の物件を安めに売り出しているところもあります。
一戸建て住宅で、築年数が浅いにもかかわらず、安めの金額で提示しているところが数カ所ありました。
これは、現況を知らなければ分からないことです。
その住宅が安いのは、それなりの理由があったのです。
それは、数年に一度、訪れる豪雨の度に家が水に浸かるという問題でした。
昨年の西日本豪雨によって、多くの住宅が水没したことを覚えていますか?
全潰といかないまでも、常に床下浸水に見舞われる地区の住宅だったわけです。
そのリスクを知っている人にとっては、たとえ、格安の値段で売られていても、「いらない物件」として認知することができるのです。
しかし、その理由を知らない人が買った場合には、「ババを引いた」ということが、後で明らかになります。
中古不動産は、一物一価で自由に値段設定することができます。
その値段が相場より安いと思ったら、実は、大きな落とし穴が存在していることがあるのです。
あるマンションの仲介している業者は、
「現在は、新築物件も高騰していて、中古物件の在庫も少ない状況です。
そのため、現在の相場は、これくらいなのです」
とさらりと言ってのけました。
ちなみに、その業者は、民事再生法で営業を再開した業者です。
意識が変わることなければ、二度目の破綻を迎えることでしょう。
不動産も大きな転換期を迎えています。