2018年3月17日
三つ星レストランはどうであったか?

これまでにミシュランの三つ星レストランで食事をしたことがありませんでした。

一つ星、二つ星は少しだけあるのですが、三つ星となると、
・予約がとりにくい
・値段が高い

そうした理由から、訪問ができませんでした。

3年くらい前、東京で訪れたのは、鮨 水谷。
すきばやし次郎とともに、三つ星を取り続けている店でありました(と記憶では思う)。

その時の旅程では、夜の予約はとれないため、お昼に訪れました。

格式の高い店では、職人のこだわりがあり、客もまた、選別されます。
店は静謐で、客もむだ口をききません。

テレビで見たことのある、ニュースキャスターのような顔の人がいました。
気のせいかもしれなませんが、東京で人気のある店で芸能人と遭遇する確率は高いようです。

さて、我々、田舎者の振る舞いと言えば…
嫁がデジカメを持っていました。
「あっ」と思ったら、
お店から、カメラ写真はしないでと注意されました。

折しも、TBSの人は取材に来ていました。
何でもなんでも撮影を禁じているわけではなさそうです。
後になって、その理由を聞くことになりました。

「写真をとると、カメラにおいしいところを持っていかれるからね」と主は、やさしく言ってくださいました。

私は、写真をとりたい時には、お店に意向をうかがってからにしています。
それでも、最近は、撮影することが少なくなりました。
あれは、食のブログやFB、インスタグラムに掲載したい人がよくとる行動です。
今は、そういう動機もないので、写真におさめるより、舌と視覚の記憶にとどめるようにしています。

しかし、お寿司って、値が張りますね。
それでも、お寿司に凝っていて、通い続けている方がおられます。
お金が十分にあるのでしょう。
私には、解らない世界。

私は、一度食べたら、一応、満足。
それをやり残したという悔いをひとつ消去できます。

そんな事情で、大変散財をしたけれど、二つ星であの値段なら、いっそ、三つ星を経験しておいた方がいいと考えての英断(?)でした。

三つ星のお寿司は、小ぶりで、きれいな流線型を成していましたよ。
あの値段は、職人の技術と場の空間を経験するものも含まれていたと思います。

ただ、正直に言うと、貝類が予想より多かったのですが、水くささや多少の臭みがありました。
おろした、ワサビも乾燥しかけているのではないかと危惧しました。

私は、味の世界では、絶対評価はないと考えています。
それから、自分の舌を8割方信じて、自分の口に合わないものは、合わない、そして、分からないものは分からないと判断しています。

会計をすました帰り際、テレビ局からインタビューを受けました。
「こういう鮨屋は、地方にはない」というような趣旨のことを伝えましたが、番組では、私ではなく、嫁の口から出た言葉が放映されたようです。
たまたま、放送をみた方が教えてくださいました。
私、インタビューでコメントするのが、ヘタなのですね。

さて、これで、人生でやりたいことのリストから、一つの項目が達成され、削除されました。
三つ星レストランを一度は経験してみること。
私は、そのリストを消化したことを評価しています。