生活するのに最低限必要なお金を政府が援助するという案が出たことがあります。
一部の国では、すでに導入済みです。
「ベーシックインカム」というものです・
これは、各家庭に一定額の支給をして、最低限の生活を保障していこうとするものです。
理想としては、生活保護の支給をして、それ以上稼ぐことのできる人は、税金を納めて下さい、という制度かもしれません。
これにより、貧困層への支給は、滞りなく行われることになります。
しかし、ベーシックインカムは、貧困格差をさらに拡大するのではないか、という懸念もあります。
お金がないために、努力しても、いい学校にいけない、よい職につけないという世代にとって、ベーシックインカムは意味のあることだと思います。
ただ、生活が苦しいので、とにかく、入ってくるお金を使ってしまう、余裕があると、遊びにお金を使ってしまう、という人にとって、ベーシックインカムがどのくらい、意味あるものか、分かりません。
生活保護を受けている人で、最低限の生活ができるように支給されているにもかかわらず、お金が入った時に、「飲みに行く」「パチンコに行く」などの行為をして、支給金額が1ヶ月持たない例が実際にあります。
こうした事態は、「自己責任」の度合いが大きいため、政府も寛大な援助を行うことはできません。
「アリとキリギリス」という童話が昔から、知られています。
貧困層でも、「アリ」であれば、やがて、その世界から脱していく可能性があります。
一方、「キリギリス」の人には、一切の余裕資金は残らないため、延々と貧困生活が繰り返されることになります。
私は、元々貧困層か、それに近い生活であったにもかかわらず、現在、普通の生活を送ることができているのは、「アリ」的な生活を行ってきたという側面は無視できません。
ベーシックインカムが導入された場合は、キリギリス族とアリ族との格差が、さらに拡大するものと思われます。