最近、モーツァルトの音楽を聞き出すと、クセになりました。
以前の記事で、ピアノ協奏曲27番の話を出しました。
その曲を探していると、昔聞いていたアルバムだけでなく、新しく録音されたものも発見しました。
その1つが、キーシンというピアノニストです。
キーシンのピアノが奏でる美しさは、
「ショパンがキーシンの手を借りて弾いている」
とさえ、ささやかれました。
彼は、2歳の頃から、ピアノを始めたといいます。
10歳の時にコンサートデビュー。
若き天才です。
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そのデビュー時に演奏した曲が、モーツァルト ピアノ協奏曲 第20番でした。
27番を探していたら、キーシンの20番とのカップリングがありましたので、しめしめと、ダウンロードしました。
ちなみに20曲以上もピアノ協奏曲を創った作曲家は、モーツァルトただ1人です。ベートーベンで5曲です。第5番は、「皇帝」という副題がついています。その皇帝とは、ナポレオンのことです。
大まかな時代が分かるでしょうか?
フランス革命が起きたのが、1789年ですから、ナポレオンが活躍したのは、1800年くらいからですね。
でも、チャイコフスキーの作曲で「序曲1812年」という15分くらいの楽曲があります。音楽の最後は、大砲の実音を収録したアルバムもあります。
この曲は、ナポレオンがロシアに侵攻したけれど、さすがのナポレオンも「冬将軍」には敗北したとして、ロシアの勝利の曲として作成しています。
この辺りから、ナポレオンは凋落していきますね。
こういう時代背景の中、モーツァルトは、ベートーベンより少し年上でした。
1756年に出生し、1791年に死去しています。
わずか35歳で600曲以上の作曲を為した天才なのです。
映画「アマデウス」の中で、オーストリアの皇帝が、自分の妹である、マリー・アントワネットが怖がるため、政治的なオペラは認めない断言するセリフがあります。
こうした欧州が激動の時代を迎える中、日本は、のんびりとした時代でした。
貨幣経済が発達して、商人が金を握り、文化の主体が初めて庶民の手に渡りました。
田沼意次の時代、寛政の改革の時代あたりだと言えば、多少おわかりいただけるでしょうか。
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さて、話を音楽に戻します。
私は、ピアノ協奏曲27番も好きですが、第20番にも惹かれるところがあるわけです。
モーツァルトの曲は、そのほとんどが明るい長調ですが、一部短調の曲が含まれており、ここにも名作があります。
・交響曲第40番(悲しみのト短調とも呼ばれる)
・トルコ行進曲
・交響曲第25番(映画アマデウス、CMで流れています)
・ピアノ協奏曲第20番
などです。
この中でもピアノ協奏曲第20番は、穏やかな雰囲気の中に激しい場面や不気味なメロディが含まれており、緩徐に富んだロマンは時代の曲のように感じます。
演奏においても解釈により、バリエーションの広がる曲であると思われます。
その曲を天才キーシンがデビュー曲からグレードアップして、演奏しているアルバムを見つけてしまったのです。
これは、もう、「ポチッ」です。
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そういう中、私は、落ち着く音楽を聴きながら、ある程度の情緒の波の中を漂っています。