パチンコ、パチスロは運に任せただけでは、負けることになります。

負けないための第一歩は、「出ている店」に行くことでした。

とは言え、出ている店も存続しているということは、負けている客からのお金で経営が成り立っていると言えます。

出ている店の中で、どのように振る舞う必要があるか、議論していきます。

メルヘンチックな作り話を酒でも飲みながら、楽しんでいただければさいわいです。

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登場人物紹介

講師
一文字浩介

地方の準難関大学卒であるが、なぜか帝国大学の講師をしている
心理学者の若手

興味は豊富で、多彩な知識を持つが、まだ何も大成していない
学術とは変わった認識を持つ
言葉使いは、ていねいだが、少し変わり者

生徒1
橘涼香

元、理系女子
宇宙など、壮大なものにあこがれる
宇宙物理学科を目指し、大学受験では合格できるレベルにあったものの、研究に残ることができる者は、ごく一部の天才だけと知り、人文科学を専攻する
気丈な性格といえる

生徒2
円山由貴子

文系女子
ふくよかで、穏やかな才女
彼女の優秀さは、時にかいまみられる
感性豊かな性格

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一文字：パチンコに勝つための第一の秘訣は、「出ている店」がキーワードでした。
「出る台を打つ」というのは、幻です。
なぜなら、どの台が、これからたくさんの玉やコインを出してくれるのか、だれにも分からないからです。

神様にしか分からないことを予想することには、弊害こそあって、意味がありません。

同じように、トレンドの出ていない、ランダムな動きをする株価の予想をすることに意味がないことは知られています。

過去に、プロトレーダーが予想して売買した結果と、株の一覧表にサルがダーツを投げて当たった株を買った結果の成績は変わらなかったという話があります。

橘：へえー。しっかり勉強して、経験を積んでもサルと変わらないということですか？

一文字：ええ。ランダム・ウォーク理論と言います。

橘：では、株で勝てる方法はないということですか？

一文字：いいえ、そうではありません。

橘：では、なぜ？

一文字：勝てるサインが出ている時だけ、売り買いすることで、サルと差をつけることができます。

円山：ということは、売り買いする時を選ぶことに意味があるということですか？

一文字：そういうことになります。

普通、競馬も負けるものですが、

「すべてのレースに賭ける者は必ず負ける」

という教訓があります。

橘：ということは、休むことにも意味がある？

一文字：あえて、何もしないことが大切な行動であるということです。

ギャンブル依存症の人は、お金がなくても、台がどうでも、時期がどうでも打ち続けますね。

円山：打たない時間が重要である、ということですか？
なんだか、禅問答みたい。

一文字：そんなに難しい話ではありません。
でも、確かに自分と問答しなければなりません。

橘：具体的には、どのような時に打ってはならないのでしょうか？

一文字：代表的な例を挙げますね。
プロは、年末年始、お盆、GWは打ちません。

橘：あ、何となく分かる気が…

円山：放っといても客が来る時期は、釘を締めても設定を落としても、客が座るからです。
つまり、店が余裕をもって、出玉を絞ることのできる、渋い時期ということです。

橘：なるへそ。

一文字：打ってはならない時に打たないことが、肝要です。
まずは、無駄死にしないこと！

一文字：精神論みたいですね。
最後は、そうなります。
パチンコは、確率と期待値にかけるゲームです。

株も同じ要素を持っています。
決定的に違う要素もありますが。

円山：パチンコと株は、根本的に何が違うのでしょうか？

一文字：パチンコは、ゼロサムゲームです。

橘：ゼロサムゲーム？

一文字：パチンコ屋では、常に以下の法則があてはまります。

勝った人の金額　＋　負けた人の金額　＋　店の利益　＝　0

誰かの儲けは、誰かの損。
その合計は、常に0であるということです。
こうした仕組みをゼロサムゲームと言います。

橘：なるへそ！

円山：では、株は、パチンコとは、何が異なるのでしょうか？

一文字：成長があることです。

10年に一度くらいの収縮期もありますが、概ねは、

株主の利益　＋　企業の利益　＞　0

という時期がそ多くあることです。

全体のグラフでみると、株価は、途中の調整期間を経ながら、上がっているという現実があります。

円山：ああ、そうなのですね。

一文字：株では、好きな企業を応援しながら、お金を手に入れることもできます。
パチンコでは、自分の儲けたお金は、誰かが損をしたお金です。

円山：まったく異なった本質を持っているのですね。

一文字：ええ。
ですから、国策として、株を推奨しています。
一方、パチンコのようなギャンブルには、規制をかけています。

橘：ああ、そうだったのか！

円山：ギャンブルで勝ってもしあわせになれない、という話を聞きます。その意味が理解できた気がしました。

ギャンブルは、人の金を自分の懐に入れる。
でも、社会貢献はしない。

ということかしら？

一文字：That’s right!

今日の話は、一連の講義の最後に入れようと思っていましたが、流れで先に来てしまいました。

円山：知って、よかったと思いました。

一文字：パチンコには、様々な心理学が織り込まれています。

そういう観点から、次の話を進めていきます。

橘：こういう考え方を知るのもおもしろいです。

円山：涼香ちゃん、久しぶりに素直に聴いていましたね。

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パチンコは、ゼロサムゲーム。株には、みんなが成長できるチャンスがある。
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