一度は行ってみたいと思っていたニューヨーク。
世界最大規模の街。
人口の密集地帯。
世界の金融の中心。
人種のるつぼ。
摩天楼のある街。
ミュージカルなどの商業地。
様々な意味で、突出した街であり、一生に一度は訊ねてみることのよい街だったかもしれない。
今回は、少し邪な考えにより、NY行きを決めた。
それは、マイルを有効に使うために、最もお得な旅だと思えたからだ。
片道で12〜13時間かかるにもかかわらず、15万マイルでファーストクラスの旅券がとれた。
ファーストクラスは、安売りがない。
正規料金は、往復で200万円以上もする。
その費用がマイルを使うことでまかなえるのだ。
ハワイだと7時間くらいでも12万マイルかかる。
お得度が高いという設定が思わず、この選択肢をつまみだした。
生まれて初めてのファーストクラス。
この未知の世界は、いかなるものでろうか?
まず、日本では、check-inカウンターから異なっている。
広い空間に係員が少ししかいないカウンターでチェックしてもらう。
並ぶなんてことは、ほとんどない。
ここは、ダイアモンド会員専用のカウンターでもあり、同時にファーストクラスの承り場所でもある。
私が、check-inした時は、リーダーで呼び込んで、
「お客様のステータスだとこのカウンターは使えないことになっています」と言われた。
それから、改めて旅券を照らし合わせた係員が、
「失礼しました。ファーストクラスなのですね」と手続きを続けてくれた。
ここは、同乗者1名も同時にcheck-inできるため、エコノミーくらの嫁も同じようにcheck-inして、ラウンジも一番いいものにしてもらった。
ラウンジでは、お酒などの飲み物はもちろん、いくらかの軽食もおいている。
ただ、食事はそれほど豊かなものではなく、温かいおそばが一番食べやすかった。
さて、待つこと3時間ほど。
搭乗時刻になったので、ゲートに行った。
ゲートでは、入り口が3つ分かれていて、Firstの目印に沿って進む。
初体験に胸躍る。
機内に入ると、切符を見た係員が、すぐに座席に案内してくれた。
1列の右側の席だ。
そもそも、ファーストは、全部でも8席しかなく、横は、1席ずつ2列に並んでいる。
中程は、隣接した2つの席が4席。
すべての席は、コンパートメントで仕切られている。
プライバシーの確保も十分だ。
当然のことながら、席幅やシートピッチも十分にとられている。
飲み物や機内飲食も充実している。
元の食事でさえ、ボリュームがある。
そして、好きな時に食べて良いというメニューが10種類以上はある。
普通のものから、一風堂のラーメンまで幅を持たせている。
そうは言っても、ファーストクラスの醍醐味は、食事だけではない。
快適な寝心地だ。
食事が終わると、パジャマに着替えさせてくれた。
(しかも、このパジャマは、お持ち帰りができる)
着替えるためにお手洗いに案内してくれている間に、ベッドメイキングをしてくれていた。
このベッドは、シートをフラットにした上に、敷き布団とかけ布団を用意している。
よく、ビジネスクラスでリクライニングが180度と書いてあることがあるが、あれは、本当にはフラットではない。
下は、固めの同じシートだし、傾斜もある。
だから、ビジネスクラスでは、なかなか眠りにつけないという難点があった。
しかし、ファーストクラスのベッドは、本当に平行でフラットベッドを実現させている。
飛行時間が長く、余裕があったことも理由の1つだが、それだけではない。
ベッドに入ると、すぐに寝込むことができた。
それから、6時間〜7時間くらいの睡眠をとることができた。
海外旅行の航空機では、初めての経験だ。
ベッドの横幅もシートより広く、そのまま左右に寝返りをうつことができた。
本当に快適な寝心地だった。
寝ていなくても、しんどければ、そのまま横になっていたい。
そうこうする内に、到着近くなって、ベッドを片付けて、軽食を食べた。
キャビンアテンダントの対応もこまめなので、心地良い。
到着した際のNYの空港は、2つしか出口がなかったため、ビジネスの人を座らせておいて、先にファーストの人を誘導した。
ビジネスもいいに違いないが、ファーストクラスと比べると、こじんまりとして見えた。
生まれて初めてのファーストは、体験してみる価値があった。
一生に一度、経験してみたいことが叶えられた。
航空運賃を支払わずに成し遂げたのは、私の資産が少ないことによる工夫である。
いつの日にか、富裕層になって、正規運賃で搭乗してみたいものである。