2013年8月26日
ストーリーがあると、高いものでも買ってしまう

先日は、東京で講演を聴講しに行きました。

東京に行くと、そこでしかできないことがしたくなります。
特に、地方にはない食事。

今回、とある銀座のお寿司屋さんを予約していきました。
行きたくなった動機は、その店に関するYouTubeを観てしまったからです。
後で、他のお客さんとの話で分かったのですが、他の方もYouTubeを観て、心動かされて来店されたそうです。

その店の主は、元々愛知県出身でしたが、このまま故郷にとどまっても未来がないと親方に教えられ、東京に出る決意を固めたそうです。
寿司職人って、成功すると儲かりますが、雇われだと低い給料のままだそうです。

お店を出すために佐川急便に勤務して、資金を貯めました。
そして、開業。
ここまでは、和民チェーンの社長のようです。

資金を貯めて、東京の中野の古くて狭い5人だけ座れる店を構えたのですが、お客さんが来なくて資金が底をついたそうです。
最後に生命保険を解約して、60万円ほど作って、これがなくなったら、店を閉めて勤め人になろうと決心しました。
本当にお金がなくて、値の張る「まぐろ」が買えなくて、店をたたむ準備をするところでした。

そうした折り、1人の予約客が来店します。
その客は、客が来る時間に合わせてしゃりを炊いている姿勢を見抜き、なかなかの店だと評価します。
ただ、一言だけ言えば、他の魚に比べて、まぐろだけは劣っていた。
そう店主に告げました。

それは、そうです。
先ほど述べた通り、本マグロを買うお金がないものだから、パックの安物を買って、体裁を整えていたのですから。

しかし、その出来事が転機になりました。
たまたま予約してきたお客さんは、有名な料理評論家で、自分が執筆する雑誌にお店の情報と評価を掲載してくれたのです。
それから、お客さんが来てくれるようになり、閉店の憂き目を逃れることができました。

YouTubeの内容では、味の評論より、そのストーリーに惹かれてしまいました。
それで、今回の来訪となったわけです。

今回、訪れた感想としては、
・きっちり仕事をしているな、という印象
・お寿司って、値が張るな、という実感

それだけの値段を払うのだったら、今まで何度も思いながら、諦めていたのですが、店主が現役の間に「すきばやし次郎」に行ってみてもよいのではないかと考え直しました。

それはさておき、商品の購買にストーリーのあるなしは大きいですね。
これは、間違いありません。