2020年1月8日
クレーム対応をみた

 お昼に、道後温泉にある「ふなや」という老舗に食事に行った時のできごとである。

 基本的には予約が必要とのことで、到着してから1時間待つことになった。

 その間に、温泉風呂に入ることにした。
 入浴は昼は12時からで、入った時には誰もいなかった。
 サウナもあった。そこで30分ほど入浴し、上がった後は麦茶を飲んでマッサージ器にかかる。心地よかった。

 それから食事になったが、嫁が予約した料理と違うと店の人に言う場面があった。
 実のところ、「今日は洋食にしてみようか」と話していたのは我々夫婦の間だけであったが、嫁はそれを決定して告げたものと勘違いしていたようだ。
 私は、嫁の勘違いをたしなめたが、ウェイトレスは聞いてみますと言って奧に引っ込んだ。

 ややして若い男の人がていねにな仕草で現れた。
 おそらくクレーム担当係であろう。
 男の人は、「私たちの手違いで申し訳ありません」とすぐに非をわび、「洋食が希望でしたら、仕込みの具合もありますので、30分ほどお待ちいただければ用意できます」ともう一つの条件を提示した。

 私は、一度は和食を食べてみた方がよいと考えていたので、嫁と少し話し合って、「このまま和食でお願いします」と伝えた。男の人は、「お詫びにお酒をおつけします。何がよろしいでしょうか」と尋ねてきた。我々は車での訪問であり、気遣い不要の旨を告げたが、ウーロン茶をサービスしてくれることになった。

 行き違いがあってからの店の対応はなかなかであり、クレームをつけた客をファンに変えることもあるだろう。
 事実、嫁はまた来たいと言った。

 二流の店は食事を売っている。
 一流の店は快適さを売っている。
 超一流の店は感動を売っている。