かつおぶしや昆布など、うまみ成分のもととなる、ダシの中には、アミノ酸が多く含まれています。
しかし、これらのほとんどは、必須アミノ酸では、ありません。
体になくてはいけないから、とっているわけではなく、味を追求するためのもののようです。
ちまたでは、かつおぶしには、「イノシン酸」、昆布には、「グルタミン酸」が多く含まれていると説明しているサイトがかなりあります。
しかし、現実は、それほど単純なものではないようです。
かつおぶしの旨み成分を調べるために、「高速液体クロマトグラフィ」という科学的な機械を使って、ダシに含有されるアミノ酸を分析した論文もあります。
※参考文献: 前 川 隆 嗣 Comparative Study on the Amino Acid Composition in Bouillons of Processed Fish (削りぶしの抽出液におけるアミノ酸組成の比較検討)Trace Nutrients Research23:93-98 (2004)
それによると、1番だしには、とくにヒスチジン,タウリン,アンセリン,アラニン,カルノシンなどの順に多量に含まれていました。
2番だしでは、アミノ酸の含有量が大きく減って、リジンやオルニチンが認められたようです。
この論文では、さばだしやいわしだしの組成も比較しています。
かつおぶしとは、いくらか異なるようです。
以前は、ヒスチジンとイノシン酸が結合したものが、かつおだしの旨みと考えられていました。
しかし、最近では、イノシン酸の効果が、グルタミン酸によって引き出されていることが明らかになりました。
最近、ブームの栄養学。
まだまだ、分からないことだらけです。