人間関係の悩みを聞く機会はよくあります。
家庭での家族の位置づけ。
仕事場での立場。
コミュニティでも、問題が起こります。
ある方が嫌な上司と一緒に仕事をすることが苦痛だと言われました。
そのため、気を紛らわせて勤務することにしていました。
ある時期は、新車を買ってドライブして、気分転換をされていました。
しかし、根本的な解決は何もなされてはいません。
ある時、会社で異動してはどうかという話が会社で持ち上がりました。
部署が変われば、その上司とは会わなくなります。
普通は、それでよしとなるはずだが、そうはなりませんでした。
部署が変われば、夜勤がなくなって給料が減ります。
給料は減ると、生活が成り立たないようです。
あちらを立てれば、こちらが立たずという状態になっています。
ある時、少し突っ込んだ話を切り出してみました。
「一般的に住宅ローンは、年収の25%を超えてくると、生活が苦しくなるという話があります」
と告げました。
その方は、月々とボーナス払いのお金をあげて計算しました。
その結果、現在の年収の20%にあたることが分かりました。
給料がダウンすると、年収の25%を超過するかもしれません。
「一般に家計に占める支出の割合で大きなものは、家と車と保険だと言われています。
車は、消費財なので、ローンを残すと、生活が苦しくなります」
と説明しました。
実際、車のローンがあると言われました。
「私自身の話ですが、一番初めに買った車は、日産マーチで、これを新車で買いました。
そして、その後は、中古車しか買ったことがありません。
ちなみに、車でローンを組んだことは一度もありません」
と申し上げました。
その方は、意外な表情をされました。
私は、続けました。
「5年落ち前後の車を買って、10万km乗り倒した後、売るか、廃車にしています」
多分、その方は、直感的に自分より収入が多いと思っている人間が、自分より質素な生活をしていることに驚かれたのだと思います。
「お金のために嫌な人と付き合わなければいけないというのは、『お金に魂を売り渡した』のと同じことになります。
私は、手取りのある程度の割合を強制的に天引きで積み立て預金にしています。
だから、その分の収入が減っても生活していけるように備えています」
その方は、しばらく黙していました。
意味は理解して下さったと思います。
こころの問題とお金の使い方は、案外、相関性があります。
実際のところ、こころの問題を延々と聞くより、お金のカウンセリングをした方が効果的な場合があります。
あるカウンセラーは、話を聞いても解決できない問題が多いと知って、弁護士に身を転じました。
さすがに、そこまでできる人は少数ですが、こころの問題の根っこを実務的に解決することができたら、違う世界が見えてきます。