食べログで、点数の高い和食のお店。
お昼は、狭い店が人でいっぱいみたい。
でも、夜は入ることができそう。
だけど、通りがかりにメニューをみたら、値段が高い。
それで、これまで躊躇して、ずっと入ることができなかった。
ある夜、1人で食べる機会があり、訪問してみた。
料理は、予約してなければ、コースはなく、アラカルトである。
1つ1つの値段が高い。
量が少ない。
適当に食べて、ほどほどで出た。
満腹にせず、抑えたので、支払い額は、1万円を超えずにすんだ。
しかし、不思議な店である。
メニュー表は、毎日、墨の手書きで、内容と値段が書かれている。
自分なら、嫌になりそうな手間だ。
毎日変えるとしたら、パソコンに入力して、それを修正しつつプリントするだろうと思う。
仕事が丁寧?少し遅い?…分からない。
入る時の挨拶がぶっきらぼう。
しかし、出る時の挨拶はしっかりしている。
夜の訪問は人が少ないことが多い。
昼間は、入れない人が出てくる。
食べログで高得点なのは、主としてランチの評価。
点心は、少しずつ品数が多く、高くはない。
天ぷらランチは、内容の割に値段が安くてお得。
それで、評価が高くなっている。
夜の評価でいいように書いているのは1件くらいしかない。
ランチは予約なしでもOK。
でも、いっぱいになると、ぶっきらぼうに断る。
ランチに、くだくだと酒を飲む常連とおぼしき人を入れている。
ビールの中瓶を飲んでいる。
以前、来た時にメニューになかったものだ。
あれ?お昼限定のもの?確認にメニュー表をみたら、他の種類の酒はあったが、瓶ビールは書かれていない。
つまみも出ていて、爺様用の特別メニューみたいだ。
4人連れの客が来たら、あっさり断った。
ドアを閉めてくれと店主は言った。
入れなかった客の1人が、「感じ悪い!」と言った。
配膳する女性がいる。
ならば、店主が自ら言わなくてもいいのに。
判断だけして、女性がやさしく断るなり、予約を受け付けた方がいいのではないか。
4人連れをつれなく断って、爺様に笑顔を向けて会話をしている。
爺様は、席を陣取り、私たちが席に着く前からいるのに、私たちの食事が終わっても、ネチネチと少量のつまみを飲みながら、酒をゆっくり飲んでいる。
爺様に陣取られて、新規の客をとらなくて、ランチをする意味があるのだろうか?
爺様は、金を落としてくれる上客だから、儲からないランチにしか来ない客より、爺様の方が大切?
あるいは……そうか、この人は職人なんだ。だから、一見ぶっきらぼうなんだ。
しかし、職人のすきばやし次郎では、酒を飲んで鮨を放置しておく客を嫌う。
同じ理屈で考えると、店主は、職人気質とも言えない。
自分には理解できないことがいろいろある。
もっと若くて、鮨屋を経営しているとある店は、料金は高いが、結構夜に客が入っている。
客を適当にいなして、嫌な思いをさせない。
多分、コミュニケーション能力が高いのだろう。
お店をするなら、芸、経営の他に、(言葉にならないものも含めた)コミュニケーションが大切な要素となるのだろう。