2019年3月16日
遺伝子からみる、日本人の不安気質

日本人には、不安障害が多い?

諸外国からみて、日本人は自分たちとは気質が異なると思われている節が多くあります。

車両がまったく通行している道路で、赤信号だから待機している歩行者をみて、「信じられない!」という言葉が発せられました。

権利の主張と自己責任の認識の強い欧米の人からみると、こうした風景は、こっけいに見えるようです。
日本人は、概して、保守的、心配性、安定志向が強い傾向にあるようです。

他国で急激に進んでいるキャッシュレス社会に対して、日本人は、現金指向です。隠し金庫にひっそり現金を保管している富裕層が割合おられます。

日本人で株式投資をしている人は、10%台ですが、アメリカでは、半数にのぼります。

日本人は、全般にリスクを嫌う傾向にあります。

不安に関与する遺伝子がある

この原因の1つは、日本人の持つ遺伝子にあります。
染色体17番に存在します。

この遺伝子は、S型とL型があり、2つの組み合わせによって3通りあります。

S型遺伝子は、悲観的になりやすく、L型遺伝子は、楽観的になりやすくなります。
SS型は、悲観的な傾向が出やすく、LL型は、楽観的になりやすい。
SL型は、その間ということになります。

※引用 Wikipedia

この遺伝子は、「セロトニン」という神経伝達物質(脳内ホルモン)と関係があります。
このホルモンは、精神を安定させるよう働きかけます。

このホルモンにかかわる、セロトニントランスポーター遺伝子が、セロトニンの働きに関与して、伝子の働きが弱いと、悲観的になりやすく、逆に働きが強いと、楽観的になります。

日本人が持つセロトニントランスポーター遺伝子の割合

日本人とアメリカ人の持つ遺伝子タイプの割合を示します

1 S遺伝子だけもつSSタイプ
日本 68.2%
アメリカ 18.8%

2 S遺伝子とL遺伝子をもつSLタイプ
日本 30.1%
アメリカ 48.9%

3 L遺伝子だけをもつLLタイプ
日本 1.7%
アメリカ 32.3%

出典 クラウス-ピーター・レッシュ「サイエンス」1996 中村敏昭「アメリカン・ジャーナル・オブ・メディカル・ジェネディスク」1997

日本にベンチャー企業が育ちにくい理由

一般にアジア圏では、S型を持つタイプの人が多く、L型を有する人は少なめです。
特に、日本は、世界一、SS型が多い国と推定されています。
LL型遺伝子を持つ人が、わずか1.7%しか存在しないことは、特筆に値します。

日本にベンチャー企業が少ないことも、そのことと関係しているでしょう。
また、アメリカと違って、日本では、破産した時のダメージはとても大きく、再びチャレンジを行うことが難しい風土があります。

アメリカでは、失敗したら、力を蓄えて、また再起したらいいという風潮があります。
こうした考え方は、新しいこと、先進的なことに取り組むことへの敷居を低くすることにつながります。

トランプ氏は、過去4回も破産しながらも、再生し、大統領になりました。
個人的な気質も特殊なことはもちろんのこと、アメリカの風土がそれを可能にしたのでしょう。

日本では、一度、大きな失敗をすると、再起することが困難です。
大きな勝負に打って出る起業家が少ない上に、賭にでて、失敗した人を社会が許さない土壌が、ベンチャー企業を興す敷居を高くしていると考えます。

トリビア(豆知識)

イタリアのピサの斜塔を見学しに行った際、信号がなく、車の通行量の多い道をいかに渡るかということを教わりました。

それは、規律というより、かけひきの問題でありました。

混雑した道路を渡れるかどうかという判断は、
1つ目、自分の歩行能力で渡れる時間があるかどうか
2つ目は、「車を運転しているドライバーの目を見る」

という教えでした。

ドライバーが、寛容な表情ならば、危ない時に止まってくる確率が高い。
一方、「行くぞ!」という目をしたドライバーをみたら、渡るのをやめた方がいい、と告げられました。

アラビア諸国やインドの露天商では、売り物に定まった値段がなく、交渉で決めていくという話も日本での非常識、その国での常識なのでしょう。