2014年10月5日
セカンドオピニオンは、原則、自費相談です

いつ頃か、流行りだした言葉。
「セカンドオピニオン」

現在行っている治療がそれでいいのかどうか、かかりつけ医以外で意見を求めることを言う。
その結果、転院もありうる。

元々、ガンの治療などで、意見を聞きたい場合から始まった。
ガンの治療では、診断や治療に至るまでの経過があるから、相談するには、相手の医者がそれを分かるようにしなくてはならない。

従って、通常の手順では、かかっている所から診療情報提供書(いわゆる紹介状)を書いてもらう。
必要ならば、レントゲンフィルムなどの診断材料も借りてもっていく。

自費相談を行い、支払いも私費で済ませた後、元の主治医のところに話をして、今後のことを相談に行く。

大まかな流れはそうなる。

セカンドオピニオン自体は、決して悪い制度ではないのだが、最近は、安易に言葉がひとり歩きをしているように感じる。

そして、憂うのは、上記の手順を踏まないで、自分がかかっている医者の治療に不安だからとか、不満があるからと、安易に「保険を使って」診察を希望する人が増えてきたことだ。

うちでも、以前、セカンドオピニオンを希望すると言って診察を受けた人がおられた。
相談した結果、たいしたことではないことを心配するケースが大半だった。
また、少し治療を変えた方がいいかな、と自分なら思うケースもあったが、それでうまくいく確証はないし、意味を成さないので、ある時期から、「セカンドオピニオンはしていません」と答えるようになった。

セカンドオピニオンは、受けないといけない義務があるわけではない。
治療ではない、相談業務だ。

最近、単に断るのも気の毒かと思い、「自費でも受けたいなら」相談にのることにした。
しかし、今のところ、自費で受けたいと言った人はいない。

ただし、セカンドオピニオンではなく、転院希望のケースはよくある。
その場合は、自院で診ることが可能でありそうならば、受け入れている。
転院の場合は、セカンドオピニオンではないので、初めから保険がきく。

ただ、セカンドオピニオンではなくても、理想の治療や境地を求めて、病院を頻繁にかえる人がいる。
こういうのをドクターショッピングという。
ドクターショッピングをしている人は、その間、よくなることは、まずないので、どこかに腰を落ち着かせないとやりようもない。

意外にお気軽に使っているセカンドオピニオン。
保険を使うのは、医療費の無駄遣いとなる。
また、医療機関もやりように困るケースが多い。

セカンドオピニオンは、「診療」ではない「相談」なので、健康保険給付の対象とならず、自費扱いが本来のあり方ということを知っておいてほしい。